老犬ホーム訪問記 日光ペッテルほ~ぷ
2016.09.12 (老犬ケア)
栃木県日光にある、ペッテルほ~ぷに訪問してまいりました。
ペッテルほ~ぷは、徳本さんが4年前にこの地に開業したペットホテル兼老犬・老猫介護施設です。
この地で30年弱、獣医師として動物病院を営まれていた徳本さん。まだ、多くの動物病院では、老犬に関するアドバイスやお預かりなどに対応できていなかった時代でもあり、徳本さんのもとに多くの相談が寄せられていたとのことです。
多くの相談が寄せられる中、これからは高齢犬(猫)のお世話に困る飼い主が増えるではないかと、徳本さんは感じていました。
同じ頃、徳本さんご自身も家族の介護をしなければなりました。時間的な制約から獣医師として診察、治療を続けていくことが厳しくなったこともあり、動物病院を廃業、ペッテルほ~ぷを開業したのです。
私たち老犬ケアスタッフが施設に訪れて驚いたことは、多くの愛犬が生活する場所にもかかわらず、臭いが気にならないということです。
徳本さんにお伺いしたところ、太陽光に近い照明を使うことで、犬舎内の脱臭効果を高めるなどの工夫を凝らしているとのことでした。
近隣への配慮も忘れていません。
ワンちゃんの就寝する部屋は、壁の防音に加え、窓をなくなど、防音性を高める工夫をしています。
いまでもたまに耳にする言葉。
「年老いた犬や猫に、どうしてお世話の手間やお金をそんなにかけなければならないの?」
そんな心ない言葉を聞くたびに徳本さんは心を痛めるそうです。
「愛犬・愛猫たちだって人間と同じ。年を取れば、お世話に手間もお金もかかるのは当然なのに」と。
そしてこう続けられました。
「犬や猫を迎え入れる以上、最後までどのように面倒をみるかを良く考えて欲しいのです」
犬や猫が傍にいることは、血圧が下がるなど、健康面での効果もあるので、徳本さんは高齢者の方が、犬や猫を飼うことにも反対していません。
ただし、自分の身に万が一のことがあった時に、愛犬、愛猫の生涯をどのようにまっとうさせるのか、あらかじめちゃんと考えておいて欲しいということです。
飼い主である父親の死後、同居している息子さんでも、遺された愛犬の面倒を見なかったケースもあるそうです。
だからこそ、しっかりと家族や親族と話し合い、場合によっては老犬ホームなどのサービスの活用も視野に入れながら、万が一の時のことを具体的に決めておくことが大切とのことでした。
私たち老犬ケアが、このような現状をみなさんに伝え、その理解を深めていく役割を担わなければと強く感じた訪問でした。
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