「冬に多いおしっこトラブル」。【老犬ケア】

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冬に多いおしっこトラブル

2019.01.27 

おしっこする老犬寒い日が続いています。お散歩を嫌がって家の中でトイレを済ませている老犬も多くなってくるこの時期は、おしっこをチェックしやすい時期でもあります。
外で放尿する時は、色や臭いなどを確認しづらく、病気も見逃してしまいがちです。冬はお水を飲む量が減ることで泌尿器系の病気が増える時期でもあります。トイレシートにおしっこをしたときは、色や量、臭いをチェックしてみましょう。

■泌尿器系の病気は腎臓を含めた尿関連の病気
・腎臓・・腎臓は血液の余分な汚れや老廃物を分別して、尿を作って体の外に出す準備をする臓器です。腎臓は2つありますが、一度患ってしまうと元に戻すことはできず、腎機能障害から腎不全へと進行していきます。進行すると体の中の老廃物を外に出せなくなるため、尿障害だけでなく、胃腸障害が神経など様々な場所に影響がでることがあります。
また、水分や電解質を調整する働きが弱くなり、脱水症状を起こすことがあります。

・膀胱・・腎臓で作られた尿を一時的に溜めておく臓器です。伸縮性があって、大きく膨らむことで一定量の尿をためることができますが、老化することで硬くなり、おしっこを溜めにくくなります。尿道から菌が侵入すると炎症をおこして膀胱炎になる場合があります。

・尿道・・膀胱でたまった尿を外に出す管です。膀胱や腎臓でできた結石が尿道を通る時に痛みが生じ、詰まると尿道結石になることがあります。

・前立腺・・男の子特有の器官です。老犬(特に去勢していない雄犬)は前立腺の病気を発症しやすく、炎症を起こすと前立腺炎、前立腺肥大、前立腺がんなど、様々な病気になりやすい器官です。

■病気を早期発見するために
病気を発見するためには、定期検診が有効です。尿検査では血液検査では出にくい異常が見られることがあり、老犬が発症しやすい腎機能の低下や、膀胱炎、膀胱の腫瘍を発見するてがかりとなります。
また、トイレに何度もいったり、排尿に時間がかかる、トイレスタイルや足を上げているのにおしっこが出ない、薄く大量の尿をするという症状が見られた時は、病気の可能性が高いです。

膀胱炎では頻尿になります。また、お水を飲む量が減ることで尿量が減ると尿が濃くなり、結石ができやすくなります。お水を飲む量もチェックして、少ないと感じたらスポイトで飲ませるなど、運動をしていなくても一定量のお水を飲ませるよう心がけましょう。

トイレシートにおしっこをした時は色にも注意しましょう。赤褐色に色がついている時は血尿の疑いがあります。色が濃く見えたり、全体的に茶色に見えることもあります。このような場合は、膀胱炎や尿石症の疑いが強く、老犬自身も排尿時の痛みなど苦しい思いをしていることがあるため、早急に動物病院を受診してください。また、腎臓からの出血や膀胱の腫瘍からの出血、前立腺からの出血(雄犬)で血尿が見られることもあります。

■まとめ
7歳をすぎたら定期検診をおすすめします。腎臓はとても繊細な臓器で壊れてしまうと元に戻せず、食事療法や投薬が、さらに腎臓の機能が低下すると、毎日の点滴や人工透析が必要になる場合もあり、生涯治療が必要になってしまいます。
病気に対してのケアや治療をできるだけ早く始めるために、早期発見できるよう、毎日の体調チェックは欠かさずに行いたいものですね。

(医療監修:獣医師 先崎直子)

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