2026.10.09 (老犬ケア)
銀杏の季節、ちょっと待って! ~犬に食べさせてはいけない秋の食べ物~
秋になると、イチョウの葉が黄色く色づき、道端や公園では銀杏を見かけるようになります。
銀杏といえば、秋の味覚の一つ。独特の香りが漂うと、「今年もこの季節が来たな」と感じる方もいるのではないでしょうか。
人間にとっては季節を感じる食材ですが、銀杏を犬に食べさせてはいけません。
特に散歩中は、地面に落ちた銀杏を愛犬が口にしてしまう可能性があります。
食欲の秋。私たちだけでなく、愛犬にも秋の味覚を楽しませてあげたくなりますが、人間が食べられるものでも犬には危険なものがあります。
今回は、銀杏をはじめ、犬に食べさせてはいけないものや、高齢犬だからこそ気を付けたい秋の食事についてご紹介します。
■ 銀杏は犬に食べさせないで
銀杏には「4′-O-メチルピリドキシン(ギンコトキシン)」と呼ばれる成分が含まれており、ビタミンB6の働きを妨げることで、神経症状を引き起こす可能性があります。
人間でも銀杏の食べ過ぎによる中毒が知られていますが、犬にとっても安全な食べ物とはいえません。
食べた量や犬の状態によっては、嘔吐やふらつき、震え、けいれんなどの症状が現れる可能性があります。
「加熱すれば大丈夫」と考えて与えるのも避けましょう。
また、秋の散歩では、人間が与えなくても落ちている銀杏を拾い食いしてしまう可能性があります。イチョウの木が多い場所を歩く際には、愛犬が地面の銀杏を口にしないよう注意してあげてください。
もし銀杏を食べてしまった場合には、自己判断で吐かせようとせず、食べた時間やおおよその量を確認して、できるだけ早く動物病院へ相談しましょう。
■ 銀杏だけではありません。犬に食べさせてはいけないもの
私たちが普段何気なく食べているものの中には、犬にとって有害なものがあります。
「人間が食べられるから犬も大丈夫」と考えず、次のような食べ物は与えないようにしましょう。
・ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にら・にんにくなど)
ネギ類には、犬の赤血球を傷つけ、貧血などを引き起こす成分が含まれています。
加熱しても安全になるわけではないため、ネギそのものだけでなく、玉ねぎなどを使ったスープや煮汁、ハンバーグなどの加工された料理にも注意が必要です。
・チョコレート・ココア
チョコレートやココアに含まれるテオブロミンやカフェインは、犬に中毒を引き起こすことがあります。
嘔吐や下痢、落ち着きがなくなる、心拍数の増加、震え、けいれんなどが現れることがあり、一般的にはカカオを多く含むチョコレートほど注意が必要です。
・ぶどう・レーズン
ぶどうやレーズンは、犬に急性腎障害を引き起こすことがあります。
どの程度食べると症状が出るのかには個体差があり、「少しなら大丈夫」と判断することはできません。レーズンパンやぶどうを使ったお菓子などにも注意しましょう。
・キシリトールを含む食品
キシリトールは犬では急激な低血糖を引き起こし、摂取量によっては肝障害につながることがあります。
ガムやキャンディーなどに使用されていることがあるため、人間用の食品を愛犬が誤って食べないよう注意が必要です。
・アルコール
犬がアルコールを摂取すると、嘔吐やふらつき、意識の低下などの中毒症状を引き起こすことがあります。
お酒そのものを与えないのはもちろん、アルコールを使用したお菓子や料理なども不用意に与えないようにしましょう。
・コーヒー・紅茶などカフェインを含むもの
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインも、犬には有害です。
興奮や震え、心拍数の増加、けいれんなどにつながることがあるため、飲み残しなどを愛犬が口にしないよう注意しましょう。
・人間用に味付けされた料理
犬にとって有害な食材が入っていなくても、人間用の料理は塩分や脂肪分が多いことがあります。
特に高齢犬や心臓、腎臓などに持病がある犬では負担になることもあります。また、見た目では分からなくても玉ねぎやにんにくなどが調味料や材料として使われている場合もあります。
食卓からそのまま取り分けるのではなく、愛犬に与える場合には、使われている食材や味付けを確認するようにしましょう。
■ 食べられるものでも、高齢犬には注意が必要
犬が食べても問題のない食材だからといって、高齢犬にも好きなだけ与えてよいわけではありません。
例えば秋には、さつまいもやかぼちゃ、りんご、梨など、愛犬にも少し食べさせてあげたくなる食材が増えます。
こうした食材も、与え方や量には注意が必要です。
さつまいもやかぼちゃは糖質やカロリーを含むため、普段の食事に加えてたくさん与えれば、肥満につながることがあります。
りんごや梨も食べ過ぎれば、お腹を壊す原因になるため、適量を心がけましょう。与える際には芯を取り除き、食べやすい大きさにしてあげましょう。
高齢犬では若いころに比べて運動量や消化機能が変化していることがあります。
歯や噛む力、飲み込む力が弱くなっている犬では、硬いものや大きなものが食べにくくなっている場合もあるため注意が必要です。
また、食べ慣れていないものを一度にたくさん食べると、お腹を壊すことがあります。初めての食材を与える際は、少量から始め、様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。
さらに、腎臓病や心臓病、糖尿病などの持病があったり、療法食を食べていたりする犬では、一般的には犬が食べられる食材であっても、与えない方がよい場合があります。
「犬が食べても問題ないか」だけでなく、「今の愛犬に食べさせても大丈夫か」という視点で考えることが大切です。
■ 拾い食いにも気を付けたい秋の散歩
秋の散歩道には、銀杏以外にも木の実や落ちた果実、きのこなど、犬が興味を示すものが増えてきます。
特に注意したいのが、種類の分からない木の実やきのこです。
見た目だけで安全性を判断することは難しいため、愛犬が口にしないようにしましょう。
普段は拾い食いをしない犬でも、嗅覚の衰えや認知機能の変化などによって、年齢とともに行動が変わることがあります。
「今まで食べなかったから大丈夫」と油断せず、秋の散歩では愛犬が歩く少し先の地面にも目を向けながら歩いてあげましょう。
■ 食欲の秋を愛犬と安全に楽しむために
暑い夏が終わり、過ごしやすい季節になると、愛犬の食欲が戻ってくることもあります。
おいしそうに食べている姿を見ると、つい好きなものをあげたくなるかもしれません。
しかし、人間にとっておいしい秋の味覚の中にも、銀杏のように犬には与えてはいけないものがあります。また、犬が食べられる食材でも、高齢犬では量や硬さ、持病などへの配慮が必要です。
食欲があることはうれしいことですが、「食べたがるからあげる」のではなく、愛犬の年齢や体調、普段の食事とのバランスを考えながら楽しませてあげましょう。
そして、食欲が急に増えた、反対に急に食べなくなった、体重が大きく増減したなど、いつもと違う変化が見られた場合には、「食欲の秋だから」「高齢だから」と決めつけず、必要に応じて動物病院へ相談してください。
食欲の変化は、愛犬の体調変化の重要なサインでもあります。
秋のおいしいものを愛犬と一緒に楽しみながら、毎日の食事と体調もしっかり見守ってあげましょう。
秋は、お散歩をするのに気持ちの良い季節です。
ただ、今年は長雨の影響で、各地でキノコが大量に発生しています。キノコの中には、愛犬にとって有毒なものもあります。お散歩の際は、愛犬がキノコに触れたり、口にしたりしないよう十分に気をつけながら、秋のお散歩タイムを楽しんでくださいね。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
LINE公式アカウントでは、失敗しない施設選び、介護ノウハウを配信中
関連のあるコラムを見る
最新のコラムを見る
介護のノウハウを知る
介護用品を調べる
- 介護のノウハウを知る
PR