2026.04.12 (老犬ケア)
フィラリア予防の季節に考えたい ~老犬のための正しい予防と注意点~
暖かい季節になると、蚊が見られるようになってきます。
この時期になると気をつけたいのが「フィラリア症(犬糸状虫症)」です。
毎年の予防が大切な病気として知られていますが、年齢を重ねた愛犬の場合は、若い頃とは少し違った注意も必要になります。
今回は、フィラリア症の基本とともに、老犬における予防の考え方についてご紹介します。
■ フィラリア症とはどんな病気か
フィラリア症は、蚊を媒介して感染する寄生虫の病気です。感染した蚊に刺されることで、体内に幼虫が入り、成長すると心臓や肺の血管に寄生します。
進行すると
・咳が出る
・息切れ
・元気がなくなる
・お腹に水がたまる
といった症状が見られ、重症化すると命に関わることもあります。
■ 感染の仕組みと予防の考え方
フィラリアは、蚊に刺されたときにすぐ発症するわけではありません。
体内に入った幼虫が成長するまでに時間がかかるため、その間に薬で駆除することで発症を防ぐことができます。
そのため、フィラリア予防は「感染しないようにする」のではなく、「体内に入った幼虫を定期的に駆除する」という考え方になります。
一般的には
・月1回の内服薬
・滴下タイプの薬
などで予防を行います。
■ 4月から12月は予防の季節、始める前に検査を
フィラリア予防は、一般的に蚊が発生する時期に合わせて行います。地域差はありますが、日本では目安として 4月から12月頃までが予防期間とされており、この時期に継続して予防を行うことが大切です。
ただし、フィラリア予防を始める前には、必ず血液検査を受ける必要があります。
すでに感染している状態で予防薬を使用すると、体に大きな負担がかかることがあるためです。
毎年の予防シーズンの開始時には、必ず動物病院で検査を受けてから予防を始めましょう。
また、近年は気温の上昇により蚊の発生時期が長くなる傾向もあるため、実際の開始時期や終了時期については、かかりつけの動物病院で確認することが大切です。
■ 老犬におけるフィラリア予防の注意点
年齢を重ねた愛犬の場合、予防についても慎重な判断が必要になります。
まず大切なのは、自己判断で予防をやめないことです。
「外にあまり出ないから大丈夫」
「高齢だからもう不要では」
このように感じることもあるかもしれませんが、室内にいても蚊に刺される可能性はあります。
一方で、老犬は
・体力の低下
・持病の存在
・肝臓や腎臓への負担
といった要素もあり、薬の使用について配慮が必要なケースもあります。
予防を続けるか、薬の種類や量をどうするかについては、必ず獣医師と相談しながら判断することが大切です。
■ フィラリアに感染してしまった場合
万が一、フィラリアに感染してしまった場合でも、状態に応じた治療を行うことで、症状の進行を抑えることができます。
治療方法は、感染の程度や年齢、体力によって異なり
・成虫を駆除する治療
・症状を抑える内科的な管理
・安静を保ちながらの経過観察
などが選択されます。
ただし、成虫を一度に駆除する治療は体への負担が大きく、とくに老犬の場合はリスクが高くなることもあります。
そのため、積極的な治療を行うか、体への負担を抑えながら生活の質を保つかといった判断が必要になるケースもあります。
いずれの場合も、自己判断はせず、必ず獣医師と相談しながら、その子にとって最適な方法を選ぶことが大切です。
■ 投薬管理も重要なポイント
老犬になると、薬を飲むこと自体が負担になることもあります。
食欲の変化や体調によって、飲み忘れやすくなることもあるため、投薬の管理も重要になります。無理なく続けられる方法を選び、確実に予防できる環境を整えていきましょう。
フィラリア症は、正しく予防すれば防ぐことができる病気。だからこそ、年齢に関わらず、愛犬の状態に合わせた方法で予防を続けていくことが大切です。
若い頃と同じように続けるのではなく、今の体調や生活に合わせて見直していくこと。それが、老犬の体を守ることにつながります。
これからの季節、今の愛犬にとって無理のない予防方法ができているか、そして万が一のときにどのように向き合うかについても、一度考えてみませんか。
地球温暖化の影響で、夏以外でも気温が高い日がみられるようになりました。そのため、暑さ対策だけでなく、フィラリア予防やノミ・ダニ予防についても、従来の時期にとらわれず、柔軟に考えることが大切かもしれません。
地域によって状況は異なりますので、かかりつけの先生と相談しながら、安心して確実に予防できると良いですね。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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