2025.11.30 (老犬ケア)
老犬のための温活ごはん 食材選びや注意点
老犬は、若い頃に比べて代謝が落ち、体温を維持しにくくなります。特に冬場や季節の変わり目は、体が冷えることで食欲が落ちたり、消化不良を起こしたり、関節のこわばりが強くなることもあります。
日々の食事で体の内側から温める「温活ごはん」を取り入れることは、老犬の健康維持に効果的です。
今回は、飼い主さんが無理なく実践できる温活の考え方や、体を温める食材、食事の与え方のポイントについて丁寧に解説します。
■ 温活ごはんが老犬に適している理由
老犬は筋肉量が減少し、体温維持のためのエネルギーが作りにくくなります。そのため、気温が低い季節はもちろん、夏でも冷房の効いた室内で冷えが進む場合があります。
冷えが続くと以下のことが起こりやすくなると考えられています。
・食欲の低下
・胃腸の動きが鈍くなる
・関節の動きが硬くなる
・眠りが浅くなる
温活ごはんは、血行を促し、内臓の働きを助け、老犬が本来もっている力を引き出すサポートになります。
■ 体を温める食材の例
以下は、老犬にも使いやすい「身体を温める食材」の代表例です。
○ 鶏肉
特徴:消化が良く、筋肉維持に役立つ高たんぱく
与え方:皮や脂身は取り除き、茹でて細かくほぐす
○ ラム肉
特徴:体を温める作用が強い動物性たんぱく
与え方:少量から試し、脂が多すぎない部位を選ぶ
○ 生姜
特徴:血行促進・体温上昇をサポート
与え方:ごく微量をすりおろして使用(使いすぎ注意)
○ かぼちゃ
特徴:消化しやすく体を温め、ビタミンも豊富
与え方:柔らかく茹でてつぶすと食べやすい
○ さつまいも
特徴:優れたエネルギー源。便通改善にも
与え方:ガスが溜まりやすいので少量から
生姜は「温め食材」として知られていますが、老犬の胃腸に刺激になることもあるためごく少量から様子を見ながら使用します。実際に与えて良いかは、必ずかかりつけの獣医師に相談してから取り組みましょう。
■ いつものフードに“ひと手間”で温活ごはんに
基本はドライフードのご家庭でも、少しの工夫で温活ごはんに変えることができます。
● ドライフードをぬるま湯でふやかす
消化しやすく、水分補給にもなります。また、香りが立つので食欲が上がりやすいメリットもあります。
お湯の温度は 人肌〜40℃以下を目安にしましょう。熱湯は香り成分を飛ばし、栄養を損なう可能性があります。
● 温かいスープをプラス
鶏肉や野菜を煮て作る手作りスープを少量かけるだけで、風味アップ・水分補給・内臓機能のサポートが期待できます。
塩分・調味料は不要です。素材のうま味だけで十分美味しく仕上がります。
《おすすめ簡単レシピ例》
鶏とかぼちゃのほっこり温活スープ
材料(小型犬1〜2食分)
・鶏むね肉 40g
・かぼちゃ 30g
・水 150ml
作り方
1.かぼちゃを柔らかく茹でる
2.鶏肉を細かくほぐせる程度に加熱
3.全てを鍋に入れ、水とともに煮てスープ状にする
4.食べやすく冷ましてから与える
シンプルですが、香りと甘みで食欲をそそる一品です。
■ 胃腸が弱い老犬への温活の注意点
温活ごはんを取り入れる際は「温める」だけでなく「負担をかけない」工夫が大切です。
・新しい食材は少量から
初日はティースプーン1杯から様子を見ましょう。
・油分は控えめに
脂質は消化に時間がかかります。皮や脂身はできるだけ避け、茹でて脂を落とすとより安心です。
・回数を分けて与える
一度に多く食べると胃が頑張りすぎてしまいます。1日2回ではなく、3〜4回に分けると負担を減らせます。
・柔らかくして与える
ドライフードは必ずぬるま湯でふやかし、体温程度に温めることで、消化と水分補給を同時にサポートできます。
・便や様子をチェックする
軟便が続いたり、食欲が落ちたりする場合は、食材が負担になっている可能性があります。
老犬は 個体差が大きく、その日の体調で合う・合わないが変化します。
体を温めることと同時に、愛犬の「その日の体調」に耳を傾けながら、無理のない温活を続けていきましょう。
■ 食欲が落ちがちな老犬への工夫
老犬が食べやすいように、以下の工夫が効果的です。
・小さくほぐした肉をトッピング
・香りが出るように温度を少し上げる
・1回量が少なくても、回数を増やす
・食べる姿勢を調整する
お皿を少し高くすると、首や食道への負担が減り、飲み込みが楽になります。
■ 温活ごはんでメンタルケア
老犬の体が冷えていると、筋肉がこわばり、落ち着きがなくなったり睡眠が浅くなったりすることがあります。
温活ごはんで身体を温めて血行を促し、副交感神経が働きやすい状態をつくることで、穏やかな心の状態へ導くサポートにもつながります。
■ まとめ
温活ごはんは特別なことではなく、「食材を少し意識して選ぶ」「ひと手間加える」だけで十分効果があります。体が温まると、表情が柔らかくなる、眠りが深くなるなど、良い循環が生まれる可能性があります。
大切なのは、無理なく続けられる形で取り入れること。
ぜひ獣医師と相談しながら、愛犬に合った温活ごはんを取り入れてみましょう。
飼い主さんの手で温かいごはんをもらう時間は、老犬にとって心の安心にもつながります。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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