「施設訪問記 はまじぃの家」。【老犬ケア】

2025.10.16 (老犬ケア)

施設訪問記 はまじぃの家

はまじぃの家_施設外観兵庫県川西市にある「はまじぃの家」は、老犬や老猫のためのデイサービスやペットホテルを運営する温かな施設です。代表の加賀爪さんは、20年近くにわたり動物と関わる活動を続けてこられました。
その歩みと「はまじぃの家」に込められた想いを伺いました。

加賀爪さんは、かつて500匹以上の犬猫を抱える大規模な保護施設で11年間勤務されていました。引っ越しや家庭環境の変化、経済的な理由から動物を手放す相談が多い中、徐々に「老犬の介護」に関する相談が増えていったといいます。
飼い主に愛情はあっても、長時間の留守や介護の難しさから「このままでは世話しきれない」と悩む声が後を絶たなかったそうです。

「犬を手放したいわけじゃない。でもどうしていいか分からない」そんな飼い主の苦しさを前に、保護施設では限界があると感じた加賀爪さん。
どうにか「飼い続けられる方法」を支えたいと考え、地域でできる形を模索する中で「はまじぃの家」を立ち上げました。

施設はまずペットホテルとしてスタートし、運営の基盤を整えたのち、一般社団法人として老犬のデイサービスを開始、現在は日中のみ無料で老犬を預かる仕組みを取り入れています。
お泊まりが必要な場合は有料ですが、「飼い主の負担をできる限り減らし、最後まで一緒に暮らせるようにしたい」という加賀爪さんの思いが形になっています。

「はまじぃの家」ではゲージを使わず、犬たちが自由に過ごせるスペースを確保。
家庭的な雰囲気の中で安心して過ごせる環境を大切にしています。加賀爪さんもスタッフも「自分の子のように思いながら接している」といい、飼い主が安心して仕事に出られるよう心を砕いています。

はまじぃの家_施設内観

これまで印象に残った犬の一頭に、後ろ足が動かず捨てられていた老犬の存在がありました。初めは噛みつくなど心を閉ざしていましたが、毎日声をかけ世話を続けるうちに徐々に打ち解け、最後には自ら歩こうとする姿を見せてくれたそうです。その最期を看取った経験は、加賀爪さんの中で「どんな子も最期まで幸せに寄り添いたい」という強い思いを確かなものにしました。

「一番辛いのは、亡くなる瞬間に飼い主さんが間に合わないこと。でも『見届けてもらえて良かった』と感謝の言葉をいただくと、私自身も救われます」。加賀爪さんはそう語ります。飼い主と老犬がともに安心して過ごせるように支えることが、何より大切だと考えているのです。

はまじぃの家_施設内観

今後は老犬介護にとどまらず、高齢者と動物の関わりにも目を向けたいといいます。高齢者が子犬や子猫を迎えることは難しい一方で、年を重ねた犬や猫には新しい居場所が必要です。その両者をつなぐ仕組みを作れないかと模索している最中だそうです。
「動物にとっても、人にとっても、生涯の最後をどう迎えるかはとても大切。終わり良ければすべて良しではないけれど、最後を安心して過ごせたと思えることが何よりの救いになると思っています。だからこそ、私たちのような施設を、遠慮なく頼ってもらいたいですね」と語る加賀爪さん。

「はまじぃの家」は、老犬介護や老猫介護に悩む飼い主に寄り添いながら、動物たちが最期まで穏やかに過ごせるよう支える、地域に根差した大切な居場所となっています。

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