犬は体温調節が苦手!飼い主さんが気をつけることは?
2023.05.19 (老犬ケア)
犬は体温調節があまり得意でない動物です。特に老犬は体温調節機能が低下するため、熱中症や低体温症などになりやすく注意が必要です。
犬は人間のように汗をかいて体温を下げることができないのですが、どのようにして体温調節をしているのでしょうか?
今回は、犬の体温調節の方法や飼い主さんが愛犬の体温調節のために気を付けるポイントについて解説していきます。
■ 犬の体温調節方法
犬は以下の方法で体温調節をしています。
【パンティング】
「パンティング」とは、犬が体内の熱を逃がして体温調節するための呼吸法です。口を開けて舌を出し「ハアハア」と荒い呼吸を繰り返すことで熱を放散して体温を調節するのです。
パンティングがいつまでも続く場合や次のような様子が見られる場合は病気の可能性もあるため注意が必要です。
・気温が高くなく、運動や興奮をしていないのにパンティングしている
・雑音が混ざっている
・いつもより息苦しそう
・震えが見られる
・舌の色が悪い(紫色や白っぽい色をしている)
・落ち着きがない
普段と違う様子が見られたら、早めに動物病院に行くようにしましょう。
【適温の場所に移動する】
室内であれば、犬は涼しい場所や暖かい場所に移動して体温調節をします。
暑い時期はエアコンの風があたる場所や、日光の当たらない場所で冷たい場所にお腹をつけていることが多いでしょう。寒い時期にはストーブなどのそばで寝て、体温を一定に保とうとします。
【尻尾で体温調節する】
犬が体に尻尾を巻きつけて丸まっているのは、寒い時に見られる行動です。しっぽの下に鼻を入れて冷たい空気を吸わないようにすることで、体温を下げないようにしています。
■ 飼い主さんが気を付けること
犬は極端に熱い場所や寒い場所ではうまく体温調節できない場合があります。飼い主さんが愛犬の様子を観察し、サポートしてあげましょう。
特に老犬は体温調節機能が低下しているので、熱中症や低体温症になりやすく注意が必要です。
【適切な室温で飼育する】
夏場は冷房や扇風機で、冬場は暖房器具で室温を調整しましょう。
室外にいる場合には、適度に日陰を確保することが大切です。手足を伸ばして体温調節できるスペースは確保してあげるようにしましょう。
老犬は体温調節機能が弱くなっているため、適切な室温で過ごすことが重要です。
【常に水が飲める環境を整える】
犬は水分を補給することで体温調節します。気温や運動量に応じて水分補給の頻度や量を調整しましょう。
老犬はあまり水を飲みたがらない場合があるので様子を見て水を飲むよう促しましょう。
【散歩の時間帯を調整する】
夏場は熱中症、冬場は低体温症に注意が必要です。
夏場は、早朝や夜などの気温が高くない時間帯に散歩をするようにしましょう。冬場は、暖かい時間帯に散歩に行くのが安心です。
【熱中症対策グッズや防寒具を使用する】
暑い時期は冷却マット、寒い時期は湯たんぽなど、季節に合わせたグッズを使用するのも効果的です。
急激な温度変化は犬を驚かせたり体調に影響したりする場合があります。使用法を守り、愛犬の様子を見ながら使用するようにしましょう。
愛犬の体調が悪そうな場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
◾ まとめ
犬は自分で体温調節ができますが、飼い主さんのサポートが必要となる場合もあります。
急な温度変化は体調を崩す原因にもなるため、犬にとって快適な飼育環境を整えてあげるようにしましょう。体温調節機能が低下する老犬は、熱中症や低体温症に注意が必要です。
日頃から愛犬の様子を観察し、普段と違う様子が見られたらすぐに動物病院で受診してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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