「犬の血尿 考えられる病気について解説」。【老犬ケア】

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犬の血尿 考えられる病気について解説

2023.05.12 (老犬ケア)

振り返る老犬突然、愛犬の血尿を見たら飼い主さんは驚くことでしょう。
犬の血尿が生じる原因はどのようなものが考えられるのでしょうか。
今回は血尿の原因や予防法について解説していきます。

■ 血尿とは?

血尿とは血液が含まれている尿のことを指します。
尿は、腎臓、尿管、膀胱、尿道を通り、体外に排出されます。この過程のどこかで出血がある場合、血尿が発生します。

尿の色は、出血している原因や部位、出血の程度によって変化します。尿道口から近い部分の出血は赤、尿道口より離れた腎臓付近だと赤黒い色に見えます。
血尿の程度はさまざまですが、重大な病気が隠れている場合もあるため注意が必要です。
老犬は持病を持っていることが多いため、若いころに比べて血尿が見られる可能性も高くなるでしょう。

■ 血尿から考えられる病気は?

血尿が見られた時に考えられる病気をいくつか紹介します。

【膀胱炎】
犬の血尿の原因で最も多いのが膀胱炎です。免疫力の落ちた老犬は特にかかりやすいと言われています。
重症化すると、腎盂腎炎や尿毒症、尿路閉塞など、命に関わる合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

【結石】
泌尿器にできた結石が膀胱粘膜を傷つけることによって出血します。
老犬は水をあまり飲みたがらない場合も多く、尿が濃くなって結石ができやすくなります。
尿道に結石が入り込んでしまうと排尿できなくなるので血尿も見られないケースがありますが、尿路閉塞を起こすと命に関わるため危険です。

【泌尿器の腫瘍】
泌尿器にできた腫瘍が原因で血尿が出ることがあります。
腫瘍の場所や大きさによっては、尿道を閉塞してしまい腎機能が低下する恐れもあります。

【前立腺肥大】
前立腺肥大が進行すると血尿が見られるようになります。
去勢をしていないオスに多く見られ、歳をとるにつれて発症しやすい傾向にあります。

【タマネギ中毒やバベシア症】
血尿と見た目が似ているもので、溶血による赤色尿があります。
寄生虫によるバベシア症や、タマネギを誤って食べた場合の中毒によるものです。

■ 血尿が出たときにチェックしたいポイント

受診の際、以下のことを医師に伝えるようにするとスムーズです。

・血尿が出始めた時期
・尿の色の様子(赤色の濃淡など)
・尿の頻度や量
・元気や食欲はあるか

これらのことをメモに記録し、尿の写真も撮っておくと受診の際に色や状態が正確に伝わります。可能であれば容器に尿を入れて持参するとよいでしょう。

◾ 血尿の予防方法は?

健康な尿の状態を維持するためには、適切な飲水量、排尿回数に配慮し、膀胱炎を予防しましょう。
また、血尿の原因となる病気の早期発見のため、定期的に尿検査を含めた健康診断を受けるといいでしょう。

◾ まとめ

血尿は重大な病気が隠れている場合もあるため注意が必要です。
症状がみられたらすぐに動物病院を受診し、原因を突き止めましょう。適切に治療することで多くの場合は改善します。
老犬は血尿の原因となる前立腺肥大や膀胱炎にかかりやすいため、普段から健康状態を把握しておきましょう。
定期的に健康診断を受け、普段から愛犬の尿の状態をチェックしておくと安心です。

(医療監修:獣医師 先崎直子

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