知っておきたい犬の「皮膚病」症状と予防策を解説
2021.06.25 (老犬ケア)
#皮膚病は愛犬に起こりやすい病気のひとつです。生活環境が悪化させることもあるため、なるべく早く症状に気付き対処することが求められます。
そこで今回は犬の代表的な皮膚病や症状、対策をご紹介します。
■ 犬の代表的な皮膚病
【膿皮症】
「膿皮症」は、皮膚の常在菌である黄色ブドウ菌の感染により起こる皮膚病です。皮膚のバリア機能や免疫力が低下することで、ブドウ菌が増殖し、皮膚感染を起こします。
<症状>
皮膚の赤み、ニキビのような赤いポツポツとした湿疹、フケ、抜け毛などがあり、痒みが見られることもあります。内ももや脇、お腹に症状が出ることが多いでしょう。
患部を舐めたり引っ掻くことで悪化する恐れがあります。重症化すると膿瘍、発熱、痛みなどを起こすこともあります。
<予防>
細菌の増殖を防ぐために生活環境を清潔に保ちましょう。日頃からシャンプーやブラッシングなどの適切なケアを心がることが重要です。
【皮膚糸状菌症】
「皮膚糸状菌症」はカビの一種である糸状菌が皮膚に侵入し、増殖することで炎症を起こす皮膚病です。糸状菌は人にも感染し、発疹や円形脱毛症を起こすことがあります。
免疫力が低い子犬や抵抗力が落ちている犬に発症しやすく、換毛期に感染が起きやすいとも言われています。人にも感染し、皮膚炎を起こすこともあるため注意が必要です。
<症状>
皮膚の赤みや発疹、フケ、かさぶたを伴う円形脱毛症があらわれます。足先や顔に症状が出やすい傾向があります。
<予防>
感染した場合は接触をさけましょう。抜け毛やフケからも感染することがあるため、衛生的な住環境を保つよう心がけましょう。
【マラセチア感染症】
皮膚に常在している真菌「マラセチア菌」が原因で発症する皮膚病です。皮膚のバリア機能や身体の免疫機能が低下した時やアトピー性皮膚炎などの皮膚病にかかっている時に菌が以上繁殖して引き起こします。
<症状>
皮膚の赤みやべたつき、フケ、脱毛、かゆみなどがみられます。特に脇の下や内股など、摩擦が起こりやすい箇所に発症しやすく、ベタベタした皮脂やフケを伴い、皮膚の赤みが生じます。
そのほか耳、口唇、指間、肛門周囲などにも発症し、「脂漏臭」と呼ばれる独特な臭いを発します。
<予防>
ジメジメした梅雨時に起こりやすく、さらに悪化しやすいため、シャンプーを行うなど正しいスキンケアを心がけましょう。
【犬アトピー性皮膚炎】
ダニやハウスダスト、花粉カビなど環境中のアレルギー原因物質(アレルゲン)に対するアレルギー反応です。アレルギーを起こしやすい体質が関係しています。
<症状>
顔、足先、脇、腹部、肛門周囲などの皮膚が炎症を起こし、強い痒みを伴います。多くは3歳以下で発症し、長い期間治療が必要になることが多いです。
症状に応じて内服薬、塗り薬、薬用シャンプーなどを組み合わせて治療を行います。
<予防>
環境中のアレルゲンを完全に取り除くことはできませんが、空気清浄機の利用、こまめな掃除、寝床をこまめに洗濯するなどして、アレルゲンを減らすよう心がけましょう。
また、シャンプーで皮膚の状態を整えるなどして、できるだけ症状が悪化しないよう工夫するとよいでしょう。
◾️ まとめ
皮膚病は日頃から住環境を清潔に保ち、シャンプーやブラッシングなどのケアを適切に行うことがとても重要です。重症化しないためにも、こまめに皮膚の状態を確認し、異変に気づくように心がけましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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