小型犬がシニア期にかかりやすい病気とは?
2021.07.16 (老犬ケア)
愛犬と暮らすなかで心配になるのが、やはり「病気」のこと。若いうちは元気でも、歳を重ねるうちに病気にかかりやすくなります。
さらに犬種によって老年期にかかりやすい病気は異なります。かかりやすい病気がわかっていれば、あらかじめ予防策を講じておくこともできるかもしれませんね。
そこで今回は小型犬が老年期にかかりやすい病気を解説します。
■ 小型犬がシニア期にかかりやすい病気
【僧帽弁閉鎖不全症】
高齢の小型犬での発症が多い心臓病です。犬の心臓にある弁のうち、僧帽弁がきちんと閉じなくなることでこの部分に血液の逆流が起こり、さまざまな問題が生じます。初期段階では症状はありませんが、進行すると疲れやすくなったり、寝る時間が増えたりします。
さらにゼーゼーと咳をするようになり、少しの刺激で咳が止まらず失神を起こすこともあります。犬種ではマルチーズ、ヨークシャテリア、シーズー、キャバリアなどに発症が多いと言われています。基本的に予防することは難しいですが、肥満や塩分の高い食事は心臓に負担をかけるためなるべく注意しましょう。
【外耳炎】
耳介から鼓膜までの続く「外耳」と呼ばれる箇所に炎症が起こった状態を「外耳炎」と呼びます。異物や細菌、耳ダニなどの寄生虫やアレルギーなどが原因と言われていて、垂れ耳の犬は発症リスクが高まります。
外耳炎にかかると耳のかゆみや痛みを感じて、首を振ったり傾けたり、耳を引っ掻く仕草が見られます。
予防法は常に耳を清潔に保つこと。間違った方法での耳掃除やシャンプー液の流入により外耳炎を引き起こすことがあるため、正しいお手入れの方法を実践しましょう。
【膝蓋骨脱臼】
犬の後肢にある膝蓋骨が正常な位置から内側、もしくは外側に外れてしまう状態をさします。小型犬の場合は、内側への脱臼が多くみられます。
膝蓋骨脱臼の原因は、先天的に膝関節や膝関節周囲の形態に異常がある場合があげられます。後天的に外傷や骨に関連する栄養障害などが原因となるようです。
小型犬は子犬の頃から発症しやすい特徴があります。この状態で年齢を重ねると、膝関節に炎症を起こしたり、靱帯を損傷するリスクが高くなります。
足に負担をかけないように体重管理を行うこと、さらにフローリングなど滑りやすい床材を避けるようにしましょう。
【気管虚脱】
鼻や口と肺をつなぐ気管が押しつぶされたように変形し、呼吸に障害を起こす病気です。マルチーズやチワワ、ヨークシャテリアなどの小型犬や中高齢の犬には起こりやすい特徴があります。
はっきりとした原因は明らかになっていませんが、遺伝や肥満、老化などが関連していると言われています。また夏の高温環境や興奮、ストレスも影響します。
予防策としては、肥満を防ぎ、激しい運動を避けること、さらに夏場は風通しをよくして室内温度の調節に配慮しましょう。
◾️ まとめ
上記には遺伝的な要因から小型犬がなりやすい病気をあげましたが、シニア期以降かかりやすい病気はさまざまあります。早いうちから予防を心がけ、健康なシニアライフをサポートしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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