犬の水頭症とは?症状や治療法を解説
2023.02.03 (老犬ケア)
犬の脳の病気のひとつに「水頭症(すいとうしょう)」があります。脳の髄液が頭蓋内に過剰に溜まることで、脳が圧迫を受けて行動や感覚機能などに様々な症状が出る病気です。
生まれつきのものが一般的ですが、後天的に発症することもあるため老犬も注意が必要です。重度の場合は脳へのダメージが大きくなり命に直結する問題になることもあります。
今回は、水頭症の症状や治療法について解説していきます。
■ 犬の水頭症とは?
脳には脳室と呼ばれる空洞があり、脳脊髄液で満たされています。水頭症とは、この髄液が頭蓋内に過剰にたまり、脳が圧迫を受けて様々な症状が出る病気です。
先天的な原因で発症することが多いですが、後天的に発症するものもあります。
後天的なものは腫瘍や脳炎、外傷による脳の損傷、脳の出血、炎症によって引き起こされます。
老犬は視力の低下などにより転倒することが増えるかもしれません。転倒の際に頭部に外傷を受けないよう注意しましょう。
■ 水頭症の症状
水頭症は、脳が圧迫されている部分や圧迫の程度によって症状が多岐にわたります。
代表的な症状には以下のようなものがあります。
・よく眠る
・ぼんやりしている
・落ち着きがない
・まっすぐ歩けない
・一方向にぐるぐる回る
・けいれん発作
・視覚障害
・意識障害 など
重度になると昏睡を起こし全身の機能不全から死に至ることもあります。気になる症状があれば動物病院を受診しましょう。
■ 犬の水頭症の治療法は?
水頭症は、先天的な原因で発症するものと、後天的に発症するものの大きく2つに分けられますが、どちらも、脳脊髄液の流れを改善する治療が行われます。
また、症状に合わせて内科治療や外科治療が行われます。
【内科治療】
脳圧を低下させるために、利尿薬やステロイドを使用します。けいれん発作が起きる場合には抗けいれん薬を使うことがあります。
症状によって、それぞれの薬の投薬量を調整します。症状が軽度であれば家庭で内服薬を投与することになります。
【外科治療】
経過や症状、各種検査をみて内科治療で改善されない場合は手術が考慮されます。
脳室内に過剰に貯留している脳脊髄液を脳室の外側に逃がすバイパスを設置する手術が行われます。
◾ まとめ
犬の水頭症は先天的なものが多いですが、後天的に発症する場合もあります。水頭症を予防するため、頭部に外傷を受けないように気を付けましょう。
また、早期発見・早期治療のために定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
日頃から愛犬の状態を観察し、行動の異常にいち早く気付くことが大切です。気になる症状がみられたら動物病院を受診するようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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