老猫は注意。慢性腎不全を知っていますか?
2016.09.21
慢性腎不全という病気をご存じですか?
年老いた猫の死因上位にあげられることもある怖い病気です
この病気で、猫ちゃんを亡くされた方のお話を伺うことができましたのでご紹介します。
猫ちゃんは16歳でした。
生後2週間頃、事故で片足を失くし、猫らしく走ることもジャンプすることもできなかったそうです。
動きがいつもより悪いと思い、動物病院に行ったところ、慢性腎不全と告げられました。
すでに手遅れの状態だったので、その飼い主は長年住み慣れた家で看取ることにしました。
「水を飲む量が増えていませんでしたか?」
「おしっこの量は多くありませんでしたか?」
動物病院の医師に診察時に言われたことは、どちらも思い当たることでした。
思い返せば数年前から水を飲む量が増え、トイレの前でお漏らしをすることもあったそうです。亡くなる二ヶ月前くらいには、寝床でお漏らしもしました。
元々障害のある子だったので、その飼い主は年齢のせいだと思い込み、病気に気付くのが遅れてしまったのです。病院に行ってから二日後、家族全員に見守られて猫ちゃんは天国にいきました。
いつも寝ていた場所を見ると、今でも涙がでるそうです。
「どうして、気づいてやれなかったのだろう」と後悔の言葉を残されていました。
みなさんがこのような後悔をしないためには、慢性腎不全という病気を良く知っておく必要があります。
慢性腎不全は腎臓が徐々に障害を受けて機能しなくなった状態で、水分が失われる、老廃物が体にたまるなど様々な症状を起こす病気です。
具体的には以下のような症状が現れます。
・水を飲む量、おしっこの回数が増加
・体重の減少、食欲の減退
・毛のづやがなくなる
・おう吐(場合によってはアンモニア臭がする)
この病気は、一度発症すると完治することはありません。尿毒症を併発している場合には、その治療をおこない症状を安定させ、低タンパク、低リンの腎不全用食事療法を施します。
根治が期待できない病気だからこそ、早期発見が重要になってきます。そのためには、動物病院での定期的な血液検査、尿検査が大切です。愛猫が高齢期にさしかかったら、動物病院で定期的に検査されることをおすすめします。
また、慢性腎不全は残念ながら有効な予防策も見つかってはいませんので、まずは栄養的にバランスのとれたごはんを心がけるようにしましょう。
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