「犬のがんとは?症状と早期チェック項目を解説」。【老犬ケア】

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犬のがんとは?症状と早期チェック項目を解説

2021.10.08 (老犬ケア)

振り返る老犬犬の死亡原因として一番多い「がん(悪性腫瘍)」。うちの子も万が一…と心配になる飼い主さんもきっと多いのではないでしょうか?

そこで今回は、犬にみられるがんの症状や早期発見のためのチェックポイントについてまとめました。

■ 【部位別】犬の代表的ながん

がんはすべての内臓や器官に発生する可能性があり、さまざまな種類があります。さらに発生した部位によって症状も異なります。
ここでは部位別に代表的ながんの種類をご紹介します。

【皮膚のがん】
しこりとして見つかることが多い皮膚のがん。体や足先、耳、口、肛門周りまでさまざまな場所で発生します。
皮膚にできる腫瘍には、肥満細胞腫や軟部組織肉腫、脂肪腫、組織球腫、リンパ腫などさまざまな種類があります。
おできや虫刺されに見えたり、皮膚病に見えたりすることもあります。本人が気にしたり、出血したりする場合には早めに検査を受けましょう。

【腹部のがん】
肝臓や脾臓に発生する腹部のがんは、腫瘍が大きくなると胃腸を圧迫し、吐き気や下痢が認められます。さらに肝機能が低下することで元気がなくなり、黄疸や毒分蓄積によって発作が起こることもあるでしょう。
どちらも症状が出にくい臓器であるため、発見時には末期の可能性も。
なお肝臓には肝細胞ガン、胆管ガン、血管肉腫やリンパ腫、脾臓には血管肉腫、結節性過形成、リンパ腫などの病変が発生します。

【呼吸器のがん】
鼻から咽頭・器官を通り肺にいたる経路である呼吸器官に発生するがん。鼻に腫瘍ができた場合、くしゃみや鼻水、鼻づまり、鼻血の症状が見られます。悪化すると顔面の変化が起こります。
鼻の内部には鼻腔内がんやリンパ腫など、肺には肺がんや組織球肉腫と言った悪性腫瘍が発生します。

【泌尿器のがん】
腎臓から尿管、膀胱、尿道、前立腺の経路でおこる泌尿器のがん。
腎臓がんや腎臓リンパ腫、膀胱がん、前立腺がんなどがあります。尿路にあらわれる症状としては、膀胱炎のような頻回尿、血尿、尿のしぶり・尿漏れ、排尿時痛などが認められます。

【消化器のがん】
口から胃腸を通り肛門までの間にできる消化器のがん。口の中や肛門の周りにしこりが見つかることで発覚することがあります。
消化器にガンができた場合、吐き気や食欲不振、下痢、タール便、血便、体重減少などの症状が現れます。慢性的に症状が続く場合や、治療してもすぐに症状が再発する場合はがんの疑いがあるかもしれません。
消化器ガンには口腔内腫瘍(メラノーマ、扁平上皮癌、線維肉腫など)、胃癌、小腸癌、大腸癌、胃腸のリンパ腫や肥満細胞腫、肛門周囲腫瘍(肛門周囲腺腫・腺癌、肛門のう癌)があります。

【脳・神経・筋肉・骨のがん】
脊髄などの中枢神経や筋肉・骨に腫瘍ができるがん。不自然な歩き方をするほか、痛みや麻痺の症状があらわれます。
脳に腫瘍ができるとけいれん発作や性格の変化、視力の低下・消失などが認められるようになるでしょう。
脳には髄膜腫、リンパ腫、神経膠腫などが、骨や筋肉には骨肉腫、軟骨肉腫、軟部組織肉腫、組織球肉腫などが発生します。

【血液のがん】
リンパ腫や白血病で知られる血液のがん。特にリンパ腫は犬猫ともに非常に多く認められる病気です。
初期にはリンパ節の腫れだけですが、リンパ腫が進行してくると、体中のリンパ節が大きくなり、元気・食欲の低下や体重の減少が起こります。

【生殖器のがん】
乳がんや精巣腫瘍など犬猫に起こりやすい生殖器のがん。
乳腺腫瘍の場合、乳腺の周りにしこりが見つかります。精巣腫瘍は症状が出ることはまれで、多くの場合精巣の大きさが左右違うことで発見されます。
生殖器の腫瘍は、若い時の去勢手術や避妊手術が発生予防として効果的です。

■ 早期発見のために!こまめに行いたいボディチェック

早期発見・早期治療が重要な犬のがん。日頃から愛犬の体のチェックを行いましょう。 ここでは愛犬のがん発見につながるチェックポイントをご紹介します。

【チェック項目】
・口:歯茎、歯、舌の異常。口臭、歯周病、口の中のできものやただれ、出血、よだれの量、できものの色などをチェックしましょう。
・皮膚:皮膚のできもの、しこり、炎症、腫れがないか確認。
・足:痛がったり、舐めたりたりしていないかを確認します。しこりチェックは指の間や肉球の間まで行いましょう。
・お腹:触れた時に痛がる場所がないか、腫れや膨らみ、しこりがないかを確認します。

◾️ まとめ

見つかったときにはかなり進行しているケースもあるがん。高齢犬での発生率は高くなります。そのためこまめな健康診断を行い、がんの早期発見・早期治療に努めましょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子

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