「施設訪問記 老犬のお家 りん」。【老犬ケア】

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施設訪問記 老犬のお家 りん

2019.04.24 

大阪府寝屋川市にある老犬ホーム「老犬のお家 りん」を訪問し、オーナーの市坪のぶ子さんと市坪真美さん親子にお話を伺ってきました。

母親ののぶ子さんは、ご自身の飼っていた愛犬を介護した経験から、老犬介護の仕事に興味を持ち始めたそうです。

癌を患って苦しそうな愛犬を付きっきりで介護しながらの生活は大変な苦労がありました。頑張って生きようとする愛犬を助けてあげたいという思いと、ご自身の生活を成り立たせることのバランスを取るのが難しく、1日だけでも預かってもらったり、介護を手伝ってもらえたりできたらいいのにと考える毎日を過ごしていたとのことでした。

愛犬が亡くなった後に老犬ホームの存在を知り、自分も自宅で老犬を預かれるようにと、老犬介護士と第一種動物取扱業の免許を取得され、柴犬の老犬りんちゃんを預かったのが市坪さんの老犬介護のお仕事の始まりでした。

「実際に預かってみたら、本当に大変だったんです。夜中鳴き通しで寝かせてもらえないし。分離不安があったから、ちょっとでも人が見えなくなるとウォーと鳴き通しなんです。」
りんちゃんのために、娘の真美さんも資格を取得し、親子二人三脚での老犬介護がスタートしました。



自宅はご近所への配慮で夜鳴きの防音対策を行いましたが、近所迷惑になってはいないかと神経を使う日々で、他に条件のいい物件はないかと探していたときに見つけたのが現在の場所。 ドッグランにできるお庭があり、周囲に家もないこの場所が空き家になっているのを見つけてすぐに大家さんに交渉しに行ったそうです。
そして約1年間の介護の末に亡くなったりんちゃんの命日に「老犬のおうち りん」を開業しました。



築50年以上という古い建物だったため、大家さんはもうつぶしてしまおうと考えていたとのことで、建物は自由に使わせてもらえることに。元々2棟だった家の内側の壁を取り払って行き来できるようにし、片側は市坪さんと飼い犬の生活スペースに、もう片方は老犬ホームとして改装したそうです。

実は真美さんは建築科卒で内装工事のお仕事をしていたこともあるそうで、こちらの内装はすべてご自身で手を入れたのだとか。衛生面や老犬の居住性を考えながら試行錯誤したという室内はとてもDIYとは思えない完成度。あちこちに工夫が凝らしてあるのがよく分かります。



開業してから半年余りが経ち、現在はお散歩の時などに通りかかってこの施設を知ったご近所の方を中心に預かっているそうです。以前預かった子が散歩で通りかかると、施設のことを覚えていて駆け寄ってきてくれることもあるそう。
「介護に疲れて2,3日休みたいといった理由や、しばらく家を空けてしまうので、その間少し預かってもらいたいなどで困っている人にぜひ利用してもらいたい」と市坪さん。

「介護に疲れて息が詰まってしまう前に、老犬ホームという選択肢を知ってもらいたいです。2,3日でもゆっくり休んで、またちょっと気持ちが楽になったらワンちゃんにも優しく接することができるでしょう?」



ご自身が愛犬の介護や看病の大変さを経験したからこそ、同じように困っている人の助けになりたいと奮闘する市坪さん親子ですが、最期の看取りの瞬間だけは家に帰してあげたいというポリシーを持っています。

「預かっている間は愛情を持ってお世話をするけれど、やはりワンちゃんにとっての一番は飼い主さん。最期は大好きな人と過ごして満たされた気持ちで送ってあげたいですね。」

今のところは大きく手を広げず、地域密着型でやっていきたいとのことですが、お散歩中にふらっと通りかかっただけでも「いいな」と思える温かな雰囲気は、市坪さん親子の人柄が表れている素敵な施設でした。

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