老犬とともに備える災害時の同行避難
2023.08.29 (老犬ケア)
地震や台風、大雨などの災害が起きた際に、愛犬と一緒に避難するための備えはできていますか?
あらかじめ進路が予測される台風などであれば気象警報や注意報が発令されることがありますが、災害そのものは予測がつくものではなく突然起こります。そのため、いざというときのために備えておくことはとても大切です。
今回は災害時への備えと、愛犬と同行避難するために準備しておきたいポイントについて解説します。
■ 住んでいる地域の避難所はペットの受け入れはできる?
自分が住んでいる地域の起こる可能性のある災害の種類や、避難所の場所はご存知ですか?
どんな災害が起こるか、それは地域によってさまざまです。自宅周辺で災害が起きた場合に避難所となる場所はどこなのか、そこではペットとの同行避難はできるのか、事前に調べておけば、いざというときに慌てずに行動できます。
ペットを受け入れているかどうかは避難所によって異なるため、自分が住んでいる市や区、町へ問い合わせるとよいでしょう。
問い合わせる際のポイントは、以下のとおりです。
・避難した場合、建物内へ入ることができるか(台風や水害の場合はどうか)
・ペットと一緒に車で避難した場合、避難所敷地内へ乗り入れることができるか
・避難所敷地内で、ペットと一緒に車やテントで過ごすことができるか
■ 大切な愛犬との同行避難のために
避難所へ行くような状況というのは、私達も気持ちが焦りがちです。こういった精神状態を犬は敏感に感じ取るでしょう。
そういった中で一緒に避難できるかどうかは、日頃からの愛犬とのコミュニケーションと訓練にかかっていると言っても過言ではありません。普段からの愛犬との過ごし方で災害に備えていきましょう。
・普段から首輪をつけたままで過ごし、リードやハーネスを嫌がらずに付けられるようにしましょう。
・クレートトレーニングを習慣的に行うと良いでしょう。
・必要なワクチンの接種を行いましょう。健康管理とともに、必要な薬をすぐに持ち出せるように備えておくことも大切です。
・「まて」や「おすわり」などの基本的なしつけで、集団生活での周囲への配慮ができるようにしましょう。
・迷子になってたときのために、迷子札をつけたり、マイクロチップを装着したりしましょう。
・避難所にはペットフードの備蓄がないところがほとんどなので、避難用バッグの中に数日分のペットフード、ペットシーツ等を入れておきましょう。
■ 闘病中の老犬の場合
介護が必要、または闘病中の老犬の場合、避難を一緒にするということは想像以上に大変なことだと思います。非常時の持ち出し荷物も多くなり、集団生活の中でも周りに迷惑をかけないか心配になる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
こういった場合、日頃から近隣住民と交流をして愛犬の存在を知っておいてもらうと安心です。老犬がいること、どういった状態でお世話しているかなどを知ってもらうことで、お互いに配慮をすることができ、協力を得ることもできるでしょう。
■ 移動の際に便利なドッグカート
移動が困難な老犬の場合、中型犬くらいまでであればドッグカートが便利です。
普段から、外の空気を吸いに出かけるときに利用して、ドッグカートに慣らしておくとよいでしょう。
また、避難所で数日過ごすかもしれないことを考えると、何日もドッグカートに入ったままでは、健康面に対して悪影響を与えます。室内では体高に合ったクレートを準備しておきたいものです。
普段からクレートトレーニングを行い、いざというときに持ち出せるようにしておきましょう。
クレートトレーニングを習慣化しておけば災害時でも落ち着くことができ、移動の際もキャリーバッグやドッグカートにすんなり入ることができます。
◾ 最後に
気候の変化で災害の起こり方が変化しています。また、愛犬が年をとることで必要となるものも変化していきます。
「今、準備できたからよし」ではなく、1年に1度など、定期的な防災用品の見直しを行っていきましょう。
防災の日をひとつの目安として見直しをするのもよいでしょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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