犬のあくび 原因と考えられる病気について解説
2023.02.24 (老犬ケア)
犬も人間と同様にあくびをしますが、あくびが出るのは眠い時ばかりではありません。気持ちを表すシグナルとして、大きな問題はない場合も多いものの、もし頻繁に続く場合は病気が隠れている可能性もあります。
今回は、犬のあくびについてその意味や病気の可能性について解説していきます。
■ 犬があくびをする理由とは?
犬は様々な理由であくびをします。よくあるものを以下にご紹介します。
【眠いとき】
犬も眠い時に生理的なあくびをします。
あくびをすることで、脳に酸素を送り、血行をよくするために酸素を多く取り込むと言われていますが、はっきりとわかっていません。
【伝染したあくび】
あくびが伝染するのは人間の間でもよくあることですね。
犬の場合は特に親密な関係にある飼い主さんからうつることが多く、信頼関係を表すサインとも言えます。
【ストレス】
犬は不快感を抱き、強いストレスを感じている時もあくびをします。
あくびの他にも問題行動や自傷行為、下痢、嘔吐、食欲の低下など様々な症状が出ることがあります。できるだけストレスを取り除いてリラックスできる環境に整えてあげましょう。
【自分や相手を落ち着かせたい】
眠くなる場面ではないのにあくびをしている場合は、自分や周囲を落ちつけたいという気持ちの表れかもしれません。次のような場面で、緊張・不安・不満などを感じたときに見られます。
・苦手な場所、苦手な人や動物がいる場から離れたい
・何が起こるかわからなくて不安
・怒られたときの緊張や謝罪の気持ち
・頭を撫でるのをやめてほしい
これらの場合のあくびは「カーミングシグナル」のひとつと言われています。
「カーミングシグナル」は犬特有のコミュニケーションで、周囲の人や犬に向けて感情を示すボディーランゲージのようなものです。あくびの他にも様々な行動があります。
【病気】
あくびが頻繁に続くようなら、病気が隠れている可能性もあります。
あくびの加えて次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院に行くようにしましょう。
・舌の変色(白・紫)
・元気がない
・食欲がない
・顎がガクガク震えている
■ あくびが頻繁に出るときに疑われる病気
【低血糖症】
血糖値が低下することで脳の働きに影響がでることがあります。
低下した脳の働きを活性化させるために、酸素を送り込もうとしてあくびが増えることがあります。子犬に多くみられますが、老犬でも他の病気が関係して起こる場合があります。
舌や歯茎の色が紫になっていたら要注意です。
【貧血】
貧血になると脳が酸欠状態になるため、あくびが増えることがあります。
貧血の時には元気がない、息切れ、尿の色が赤いなどの症状がみられます。歯茎や舌が白っぽくなっていたら要注意です。
赤い尿が出ている場合は中毒による貧血の可能性もあるためすぐに病院へ連れて行きましょう。
【口腔内の不快感・痛み】
口腔内の痛みを紛らわすために、あくびが増えることがあります。歯の異常や歯周病がないか確認しましょう。
また、あくび以外にも、口を気にする様子がないか確認しましょう。
病気が疑われるあくびは、ほかの病気を併発したり完治が遅れたりする場合があります。
普段と違う様子のあくびがみられる場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
◾ まとめ
犬のあくびは、気持ちや体調を伝える重要なサインです。病気が原因となっている場合もあるため、気になる体調の変化がないか観察しましょう。
普段から、あくびの頻度や様子など、愛犬の様子を観察することも大切です。気になる場合は早めに動物病院に相談してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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