「犬のてんかん 原因と症状、老犬が気をつけるべきことは?」。【老犬ケア】

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犬のてんかん 原因と症状、老犬が気をつけるべきことは?

2021.11.22 (老犬ケア)

抱かれる老犬意識をなくして倒れたり、全身がガクガク震えたり…。これらは「てんかん」という病気のサインかもしれません。
そこで今回は「てんかん」の原因や症状、さらに老犬が気をつけるべきポイントを解説します。

■ 「てんかん」とはどんな病気?

てんかんは脳の神経細胞が過剰に興奮したことで引き起こされる脳の疾患です。
通常、脳の神経細胞は興奮を伝える脳細胞(興奮性脳細胞)と、興奮をおさえる脳細胞(抑制性脳細胞)がバランスを取り合って情報を伝達しています。しかし何らかの理由でバランスが崩れると過剰な放電を起こし、けいれんを伴う発作を引き起こします。

てんかんの症状のひとつであるけいれん発作は、すべての犬に見られる症状というわけではありません。多くの場合は6ヶ月から3歳までの若い時期に発症しますが、7歳頃になって初めて発症することもあります。

■ 「てんかん」の原因とは?

犬のてんかんには大きく分けて2つの原因があると考えられています。

【特発性てんかん】
原因は特定できないにもかかわらず、てんかん発作を定期的に引き起こす場合は「特発性てんかん」と呼ばれる病気です。一般的にてんかんと呼ばれるのは、この特発性てんかんを指すことが多いでしょう。
原因は明らかになっていませんが、遺伝的要素が強いといわれています。比較的若い時期での発症が多く見られます。

【症候性てんかん(二次性てんかん)】
事故による外傷や脳腫瘍、脳炎、水頭症など、脳の病気が原因でてんかん発作を引き起こす場合は「症候性てんかん」と呼ばれます。一般的に特発性てんかんより深刻になることが多く、最悪死に至るケースもあります。

■ てんかん発作が起きたときの症状とは?

てんかんの症状の出方は、「全般発作」と「焦点発作」に分類されます。発作の前兆と表現される症状がありますが、その多くは「焦点発作」そのものであるとされています。
それぞれの症状には次のようなものがあります。

【全般発作の症状】
・意識を失って倒れる
・全身のけいれん
・犬かきのように手足を動かす など

【焦点発作の症状】
・よだれが出る
・手足の顔面の一部がけいれんする
・口をくちゃくちゃさせる など

◾️ 老犬の場合の注意ポイント

てんかん発作があらわれた場合、原因を特定するため精密検査を行います。検査内容によっては、MRI検査や脳波検査が求められることがあります。
しかしこれらの検査は全身麻酔が必要になります。老犬の場合は、呼吸困難、血圧低下など、全身麻酔による副作用のリスクが高くなります。
また、全身麻酔をかけて検査をしても何も異常が見つからない、という可能性も考えられます。また脳腫瘍が見つかったとしても手術するのは難しい、という可能性もあるでしょう。
精密検査を受けるべきかどうかは、かかりつけの獣医師としっかり相談して決断することをおすすめします。

◾️ まとめ

てんかんは、長く付き合っていかなければならない病気の一つです。継続して抗てんかん薬を投薬しなければならないこともあります。
また、立て続けにてんかん発作が起きた時(重積発作時)は命に関わりますので、速やかに治療を受ける必要があります。
てんかん発作を起こした際は冷静に対処し、さらにてんかん発作を引き起こす環境要因などを把握しておくことで、頻度や負担をコントロールできるようにもなるでしょう。

愛犬の看護に不安を感じるときは、都度かかりつけの獣医師に相談しながら、病気と前向きに付き合っていくことが大切です。

(医療監修:獣医師 先崎直子

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