犬が水をたくさん飲む理由は?考えられる病気も解説
2022.02.18 (老犬ケア)
愛犬がやたらと水を飲む姿を見ても、「喉が乾いてるのかな…」と特に気にも留めないかもしれません。しかし急激に水を飲む量が増えた場合は、病気のサインが隠されている可能性があります。
そこで今回は、犬の水分摂取量が増える原因や考えられる病気について解説します。
■ 犬が飲む水の量はどれくらいが適正?
犬に必要な1日の水分量の目安は、体重1kgあたり50cc前後と言われており、多飲の目安は体重1kgあたり100cc以上の水分摂取です。
夏場に激しい運動をした日や短頭種のような呼吸の激しい犬種では一時的に100ccほどの水を摂取することもあるでしょう。しかし多飲の基準となるのは、長期間に渡って100cc以上を飲んでいる状態が続いているという点です。
では、愛犬の飲水量が増える原因にはどんなものがあるのでしょうか?
■ 犬の飲水量が増える原因
【脱水症状による多飲】
夏場に多いのが、脱水症状による飲水量の増加です。たくさん運動をしたり、外で長時間過ごしたりした場合は、一時的に飲水量がアップするでしょう。
【フードの変化による多飲】
フードをウェットフードからドライフードに変えた場合にも、飲水量が増えることがあります。また塩分の多い食事を与えた場合も喉が渇きやすくなるため、飲水量が増えるでしょう。
【ストレスによる多飲】
環境の変化によりストレスを感じている場合にも、水分の摂取量が増えることがあります。なかには、飼い主の気を引くために水を欲しがる仕草をすることもあるようです。
【服薬による多飲】
アトピーや皮膚炎の治療に使われるステロイド剤の中には、多飲多尿を引き起こすものがあります。薬を処方される際には、多尿などの作用があるかどうか、事前に確認しておくと安心でしょう。
■ 多飲の原因として考えられる病気
多飲を引き起こしている原因のなかには、病気の可能性も考えられます。どのような病気が隠されているのでしょうか?
【糖尿病】
特にシニア犬に注意が必要な糖尿病は、初期症状として飲水量や尿量が増え、食欲があるのに体重が減少する症状が見られます。症状が進行すると、食欲の低下や嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。
【慢性腎臓病】
慢性腎臓病とは、血液をろ過し、身体の老廃物を排出する腎臓の機能が低下してしまう病気です。多飲多尿の症状から始まり、進行するにつれ食欲不振や嘔吐、脱水などの症状があらわれます。
【クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)】
クッシング症候群とは、コルチゾールというホルモンが過剰分泌されることで健康に悪影響が出る病気です。多飲多尿のほかに、脱毛や皮膚の黒ずみ、呼吸が早くなる、お腹がふくれるなどの症状があります。
【子宮蓄膿症】
子宮蓄膿症とは、細菌感染により子宮内に膿(うみ)が溜まってしまう病気です。出産経験のないメス犬がかかりやすい病気です。多飲多尿以外に、食欲の低下や嘔吐、お腹の張り、陰部からの排膿などが見られます。
◾ まとめ
愛犬の一日の飲水量は、正確にはかることはなかなか難しいものです。そもそも水を飲む頻度をそこまで気に留めない飼い主さんも少なくないかもしれません。
しかし水を飲む頻度があまりに高い場合は、水の量を確かめてから与え、残った量から1日の摂取量を記録してみてください。
長期間にわたって飲水量が増えている場合は、速やかに動物病院に連れて行きましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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