「施設訪問記 老犬ホーム晴」。【老犬ケア】

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施設訪問記 老犬ホーム晴

2021.12.30 

老犬ホーム晴長崎県大村市にある「老犬ホーム晴(はる)」を訪問し、スタッフの堀内さんにお話を伺ってきました。

施設を立ち上げたのは、長崎県内で警備会社を経営している堀内さんのお祖父さま。老犬ホームが話題になり始めた5年ほど前に、堀内さんのお母さまとスタッフ1名の2人体制で始められました。
施設開設の背景はお祖父さまが動物好きだったということが大きいですが、「こういう場所があれば、いつか動物好きな孫が自分の所に帰ってくるだろう」という考えもあったのだとか。
開設当初は乗馬クラブの馬の牧場に勤めていた堀内さんですが、ご自分の犬を連れて遊びにきたり、手伝いに入ったりしているうちに、困っている飼い主さん達や老犬との交流が生まれ、今年から本格的に責任者として携わることになりました。

「晴」というのは、お祖父さまに頼まれて堀内さんが付けた名前。晴れた日のような穏やかな気持ちで過ごせる場所になって欲しいという想いが込められています。
「老犬介護の現場は、ただ可愛いがるだけの仕事ではなく、明るい面も暗い面もあわせ持つため、外から手伝っていた頃と今では責任感の重さが全然違う」という堀内さん。その中でも晴という名前の通り、1日1日を穏やかに過ごせるようにと頑張っています。

スタッフの堀内さん

晴での老犬ホーム利用の経緯は、入院や施設への入所などで愛犬のお世話ができなくなる飼い主さんの事情が一番多いケースなのだそう。
その場合に困ってしまうのが、しつけが不十分でお預かりできないことがあること。施設で暴れてしまったり、飼い主さんと離れるのが不安でストレスになり、弱っていってしまったりすることがあるため、社会性を身に付け、飼い主さんがいなくても生きていくためのしつけを行なっておくことは重要なポイントです。

このしつけの重要性は、堀内さん自身も実際に老犬ホームの運営に携わって初めて感じたことだそうです。愛犬を可愛がって育てるのはとても良いことですが、甘やかすだけでなく、独りになっても生きていけるようにしてあげることも忘れないで欲しいといいます。

施設外観

実は、長崎県は全国的に見てペットの殺処分数が多い県で、令和元年度の環境省の統計では、ワースト3に入っています。(環境省統計『犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況』https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.htmlより)
ペットの飼育に対する知識や情報・サービスは、長崎では東京や福岡といった大都市圏に比べてまだまだ周知不足。
飼えなくなってしまったら処分してしまうのではなく、困っている飼い主さんを助ける場所を作ることで、殺処分されてしまうペットを減らしたいという想いで、堀内さんは活動を続けています。

広いドッグラン

また、施設を運営していく中で、ペットの世話にお金をかけることについての飼い主さんの意識の低さも気掛かりになっているそうです。
「ウチは親会社の別事業があるので、必要経費ギリギリの価格でやっていますが、それでも利用者さんによっては高いと言われてしまって……」と肩を落とします。
しかし今後飼い主さんへの啓蒙活動を続けるとともに、施設運営についても低価格、安全、衛生の3つを大切にしながら企業として持続可能なものにしていこうと試行錯誤しています。

今後は、併設しているカフェやドッグランを使って保護猫・保護犬活動や、動物との生活を一貫して支えられる場所を作りたいという構想があるとのこと。
ペットとの出会いから、別れを迎えるその日まで、悩みや疑問を抱える飼い主さんの助けになる素敵な場所になりそうですね。

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