「愛犬が寝たきりになったら……老犬の食事介助の基本」。【老犬ケア】

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愛犬が寝たきりになったら……老犬の食事介助の基本

2021.07.09 (老犬ケア)

毛布から顔を出す老犬自力で起き上がれなくなった愛犬には、飼い主さんによる食事の介助が必要となってきます。さらに寝たきりになった愛犬は、噛む力や飲み込む力が低下し、消化能力も落ちてくるため食事内容の見直しも大きな課題です。

そこで今回は寝たきりになった愛犬のための食事サポートについてご紹介します。

■ 寝たきりの愛犬に合わせた食事内容の工夫を!

【固形食の場合は柔らかくして与える】
ドライフードはひと肌程度のぬるま湯でふやかすと食べやすくなります。熱湯はドライフードの栄養価を損なう恐れがあるため避けましょう。手作りの食事なら、野菜や肉を柔らかく煮込んだスープをミキサーで柔らかくして与えてみるのもおすすめです。
老犬は食事時間が長くなると身体に負担をかけてしまうため、短時間で栄養がしっかり摂れるレトルトフードや缶詰を利用してもよいでしょう。

【自力で噛んで飲み込めない場合は「流動食」を選択】
噛んで飲み込む力が著しく低下している場合は、獣医師に相談して流動食を視野に考えてみてください。
流動食の作り方は、ふやかしたドライフードや適度な大きさに切った手作り食材に少量のぬるま湯を加えて、ミキサーにかけるだけ。つぶつぶがなくなるまで、しっかり攪拌してください。

ここでポイントになるのがぬるま湯に量です。あまりに水分が多いと量がかさましされて、老犬の食事量としては負担が大きくなってしまいます。逆に水分が少ないとうまく与えられないため、愛犬に適した水分量に調整してください。
流動食はシリンジやスプーンなどの器具を使用して与えていきます。

■ 老犬の食事介助のポイント

【寝たきりの愛犬への食事介助方法】
1.上体を起こして頭の位置を高くする。
2.やさしく声をかけたり、なでたりして落ち着かせる。
3.犬の鼻先にフードを持っていき、香りをかがせる。
4.口元に軽くあてて、食事があることを教えてあげる。
5.愛犬に合わせた大きさを一口ずつ口に入れていく。固形食は介護用スプーンで口の奥の舌の上に置くように与える。
6.口に含んだら喉を優しくさすり、飲み込めたことを確認する。一口食べたら水を与えるようにする。
7.手順4〜7を繰り返しながら、短い時間で効率よく食事を与える。

<ポイント>
誤嚥を防ぎ、食べ物を飲み込みやすくため、頭の位置を少し高めにしてあげましょう。
小型犬の場合は抱っこして簡単に身体を起こすことができますが、中型犬や大型犬の場合抱き抱えて食事をするのが難しくなります。その場合は、飼い主さんが座った状態で膝の上にクッションやタオルを丸めて緩やかなカーブを作ります。その上に愛犬の身体を置くようにして、上体を起こした状態で食事を与えましょう。
食事後は20〜30分ほどそのままの姿勢で様子をみます。

【流動食の与え方】
1.上半身を起こして、頭を高くした姿勢をとらせる。
2.流動食はシリンジや犬の口から食事がこぼれやすいため、ペットシーツやタオルを口元や胸元に添える。
3.シリンジの先をやさしく犬歯の後ろ側から口先の方に向けて差し入れ、一口分の量をゆっくり注ぐ。
4.口に含んだら喉を優しくさすり、飲み込めたことを確認する。ときどき水を与えて飲み込みやすくする。
5.手順3〜4を繰り返しながら、短い時間で効率よく食事を与える。

<ポイント>
頭が起きた状態で、犬歯の後方部分からシリンジで食事をゆっくり流し入れます。
あごが上に上がった状態で流動食を流し込むと気管にはいってしまうことがあるため、絶対に避けましょう。
流動食を与える際も、飲み込めているかを確認しながら、水を飲ませながら与えること。食事後は20〜30分ほどそのままの姿勢で様子をみましょう。

◾️ まとめ

愛犬が寝たきりになった場合、食事の介助の必須となります。食事介助の基本をマスターして、愛犬が快適に食事が摂れるようにサポートしてあげましょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子

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