老犬のお留守番。安全に過ごすための室内ルール
2020.07.13 (老犬ケア)
老犬になると目が見えづらくなったり、トイレを失敗やすくなったり、老化現象が現れることで、お留守番をさせることにも不安を感じるようになります。
そこで今回は、老犬が安心してお留守番できるための環境作りについて解説します。
■留守番できるのは何時間が目安?
留守番ができる時間は個体差があるため、何時間と言い切れない部分があります。一般的に共働き家庭なら、ワンちゃんは10時間以上留守番していることになるでしょう。
ただ老犬には健康リスクもあるため、留守番させる時間をなるべく短縮してあげると安心です。特に介護が必要なワンちゃんの場合は、おそらく2時間ほどが限界になるのではないでしょうか。
◾️安心して過ごすために!室内の危険ゾーンをチェック
足腰が弱くなり、目も見えづらくなっている老犬は、留守番中もどこかに足を引っ掛けて転んだり、階段から落ちたり、色々と考えられるリスクが起こり得ます。
そのためあらかじめ室内の危険ゾーンをチェックして、リスクを最小限に止める努力をしておくとよいでしょう。
【床】
足腰の弱くなった老犬にとって、ケガの原因になりやすいのが床材です。滑りやすいフローリングは踏ん張る力が弱くなっている老犬には特に負担がかかり、最悪すべって怪我をしてしまう可能性も…。滑りにくいクッションマットなどを床に敷き、万が一に備えておきましょう。
【階段】
老化により体が思うように動かせず、足を踏み外して転倒し、大けがをするという事故も起こり得ます。そのため、なるべく階段の使用を控えるようにしましょう。
昇り降りをさせる場合は、滑りにくいマットを活用するのがおすすめです。それでも心配な場合は、柵を設置して勝手に階段の昇り降りをしないようにしておくとよいでしょう。
【柱や出っ張り】
柱や家具の角など、老化により視力が低下したことでぶつかってしまうこともあります。
家具などは安全な場所に移動させ、部屋の模様替えを行うことをおすすめします。ただし、完全に失明してから模様替えをすると戸惑うことがあるので、その場合は大きな配置換えは避けるようにします。
移動が難しい場合は梱包材や緩衝材、タオルなどを巻いて、万一ぶつかっても怪我をしないよう対策を講じておきましょう。
【コード】
電源コードが部屋を横断していたり、コードが密集したりしていると、足をひっかけ、転んで怪我をしてしまう恐れがあります。
また誤ってコードを噛んで感電するといったことも、頻繁に発生する事故のひとつ。噛み癖がなくても何らかの拍子で噛んでしまう可能性もあるため、コードカバーを活用するなど、万が一に備えましょう。
【隙間】
老犬になると脳の機能が低下し運動能力も下がるため、後ずさりの動作もうまくできず、隙間から出られなくなることがあります。
特に認知症になると隙間に入ってしまうことが多く、何時間も出られなくなることがあります。家具と家具の間や、家具と壁の間、ソファの下などに入り込まないよう、家具の配置換えを行ったり、大きめの水入りペットボトルをいくつか並べて隙間をふさいだりしておきましょう。
◾️まとめ
老犬になるとますます目が離せなくなるもの。どうしてもお留守番させなければならない時は頼れる親族にお願いしたり、ペットシッターに依頼したり、できる限りの選択肢を考えてみるとよいでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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