老化で目がみえなくなったら?愛犬との暮らし方ガイド
2020.02.27 (老犬ケア)
犬にとっても「視力の低下」は老化現象のひとつです。最近、よくものにぶつかる、恐る恐る歩いている、といった様子が見られるようなら、もしかしたら老化により視力が低下しているかもしれません。
今回は老犬の視力低下のサインや、もし目が見えにくくなってしまったときに気をつけてあげたい生活の工夫についてお届けします。
■ちゃんと見えてる?老犬の視力チェックリスト
普段一緒に生活するなかで、愛犬に変わったことがないか、しっかり観察する飼い主は多いでしょうが、目が見えづらくなっている状態には、なかなか気づけないもの。
実際に視力が衰えたら、どんな症状が目立つようになるのでしょうか?愛犬に以下のような症状があらわれたら、注意が必要です。
・ひんぱんに物にぶつかる
・段差につまづく
・急に攻撃的になる
・よく吠えるようになる
犬は目が見えなくなることで、物にぶつかったり、段差につまづいたりするようになります。
しかし、犬は視覚以外にも聴覚や嗅覚が優れた生き物です。普段から慣れた家の中であれば、このような症状は特に目立たず普通に生活できることから、飼い主も気付きにくいかもしれません。
そのため、初めて訪れた場所やいつもと違う散歩コースなどで、突然物にぶつかったり、段差につまづいたりといった症状がみられないか、注意深く観察するようにしましょう。
また犬は目が見えにくいことで環境が把握しづらくなるため、恐怖心から怖がりになります。不安から以前に比べて吠えるようになったり、攻撃的になったりするため、情緒の面でもいつもと変わりがないかも確認してください。
◾️目が見えにくくなった老犬との暮らし方
視力が低下した愛犬と普段どのように過ごせばよいのでしょうか?部屋の工夫や接し方のポイントについてご紹介します。
【バリアフリーの空間を作る】
目が見えなくなってくると、周りにある障害物を避けることができなくなってしまいます。そのため、なるべく段差をなくし、ぶつかってしまうような物は床におかず、愛犬が歩きやすい空間作りを心がけましょう。
角張っている家具が愛犬が良く通る場所にあるようでしたら、エアークッションで覆うなどして、万が一ぶつかってもけがをさせないようにしましょう。
【ヒゲをカットしない】
犬のヒゲは、物がどのあたりにあるのか、空間把握をするのに、とても重要な役割を持っています。
犬にとっては大事なセンサーであるため、目が見えづらくなっている犬にとってはますます不自由を生じてしまいます。トリミングに連れていってもヒゲはカットしないようにしてあげてください。
【驚かせない】
目が見えづらくなることで、周りの状況が把握できなくなってしまいます。目が見えないと、愛犬も不安から臆病になりやすいため、驚かせるような行動は控えましょう。
体を触る際も、先に声をかけたり、床を軽くたたくなどして、近くに人がいることを知らせてから、触るようにしてください。
目が見えにくくなることで、日常生活のなかで支障が出たり、思わぬ事故を招いてしまう恐れがあったりします。そのため、飼い主が愛犬の視力について理解し、安全な生活環境を整えてあげるようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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