老犬の食事回数とシニアステージの食事
2019.03.20 (老犬ケア)
犬の食事回数の適正は諸説あり、一般的に子犬の時は1日4回、成犬では朝晩2回が適正と言われていますが、一昔前は1日1回が普通といわれた時もありました。
では、老犬になった時の食事回数は、何回に分けると良いのでしょうか。加齢によって内臓が弱り、食べる量も変わってくる老犬の食事問題は、飼い主としては悩ましいところです。老犬の食事習慣についてまとめてみます。
■ シニアと呼ばれる年齢
シニアと呼ばれる犬の年齢は7歳位からといわれています。7歳といっても活動量や身体の機能に個体差が大きく、犬によって必要とするエネルギー量は違うので、必要な食事量も違います。
シニアフードへの切り替えを検討する年齢でも、ボール遊びが大好きで元気に走りまわる老犬もいれば、一日中お昼寝を楽しむ老犬もいるでしょう。年齢で食事習慣を変えるのではなく、それぞれの生活の様子をみながらフードや食事量を変える必要があります。
明確な定義は決まっていませんが、シニアステージは加齢期を分ける傾向があり、一般的に寿命の1/2をすぎるとシニアと呼ばれる中高齢期、約2/3を過ぎると後期高齢期となります。小型中型犬では12歳~13歳、中型犬では10歳~12歳、大型犬では8歳~10歳位が後期高齢期です。
■ シニア期の食欲
シニア期になると食欲に変化が表れ、食事量にムラがでたり、歯が弱まって噛む力が衰えたり、消化や吸収にも影響が出ることがあります。よく食べて、健康的なウンチが1日に数回でるということであれば、すぐに何かする必要はありませんが、食事量や食べ方が変わってきたときは、よく観察をして、食事回数を検討しましょう。
シニア初期のころは、運動量と栄養バランスを考えながら、基本的には1日2回与え、フードを置いたままにするなどダラダラと与え続けるのはやめましょう。食べないからといって食事回数を減らすのではなく、小分けにして1日数回与える方法もあります。
後期高齢期に入って、運動量が減ると、筋肉も落ちてくるので、自然と必要とする食事量も減ってきます。ただ、健康を維持するために必要な栄養分まで減ってしまってはいけないので、高品質な動物性タンパク質や栄養が摂取できるよう心がけましょう。
歯周病などが原因で噛む力が衰えることや、飲み込む力が弱くなったと感じた時は、ドライフードをお湯でふやかして与えたり、ウェットフードを検討するなど、食べやすく柔らかいフードを考慮しながら、消化の良いものを選びましょう。
後期高齢犬の場合は、気温の変化や体調の変化で食欲が落ちることもあります。そんな時は、少しご飯の匂いを強めてあげることをおすすめします。フードにささみや芋などのトッピングをするのも一案です。とくに、サツマイモなど、柔らかくて甘いトッピングは喜ばれる傾向にあります。
■ まとめ
老犬は体や生活習慣に変化が起きやすい特徴があります。日々の生活をこまめにチェックし、愛犬の生活に合った食事内容や回数を選ぶようにしましょう。
毎日の変化に気づいてあげられるのは飼い主だけです。若さを保つためにも積極的にふれあう機会をつくり、メリハリのある生活を心がけましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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