「老犬への手作り食」。【老犬ケア】

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老犬への手作り食

2018.12.04 (老犬ケア)

食事を待つ老犬冬になり、そろそろ蓄える時期!と食欲が増してきます。
老犬も夏に落ちていた食欲が戻り、少しずつ食べる量が増えてくることがあります。ただ、寒さが増すにつれて運動量が減り、代謝も低下することで必要とするエネルギー量は減っていきます。そこで食べ過ぎてしまっては自然と体重増加につながり、体調管理が大変になることも。

最近はドライフードを止めて、手作り食で愛犬の健康管理をしたいという飼い主も増えてきました。良質のお肉や野菜と愛情のこもった手作り食を与えることが良いことになるのでしょうか。体重管理や栄養面から手作り食のメリットとデメリットをお話しします。

■犬は肉食に近い雑食
「犬に野菜は必要ない」という話を聞いたことがあると思いますが、犬の食性は完全肉食ではなく、肉食に近い雑食です。体内でビタミンCを作り出せるので、食事でビタミンCを摂る必要もないわけですが、穀物や野菜を摂ることもできます。ただ、歯の構造や腸の長さなど、人とは違った体のつくりをしていることから、咀嚼をあまりせず、野菜の消化に時間がかかるといったデメリットがあります。

最近は、このデメリットを逆手にとって腹持ちをさせることで食べる量を調整することもあるようですが、他にも野菜を加えることで得られるメリットは概ね3つあるようです。
・天然の食物繊維が得られる
・消化が遅い分、お腹が空くのを抑えられる
・食物繊維の摂取で腸内細菌のバランスを整えられる

■消化のはなし
夏に食欲がなくなり、食事量が減ってしまうことで、消化能力も落ちてしまいます。せっかく食事量が増えても、消化能力が低下していると栄養吸収力も落ちて栄養不足になり、痩せてしまうことがあります。十分に栄養が摂れないと免疫力が低下し、抵抗力が弱まった体は病気にかかりやすくなります。このような場合は、少量でも栄養価の高い食事が必要になり、手作り食ではバランスを維持することが難しいこともあります。

■老犬の体にやさしい食事づくり
食欲が低下しているときでも、食べやすい大きさにカットされ、香りも良い食事で食欲がでる犬もいます。少量でも栄養価が高い食事を作ることを心がけていきましょう。
良質のたんぱく質と緑黄色野菜などタミンを含んだ食材をピックアップします。咀嚼力が落ちた老犬の場合はスープで煮込んだ解れやすい食事も食べやすいと思います。団子状のものや、おからなどでパサパサした食感のものは、喉に詰まらせないよう固さや水分量にも気をつけます。老犬の咀嚼力や飲み込む力、消化力を考えながら食材を選択するとよいでしょう。

■手作り食のメリットとデメリット
手作り食のメリットとは、新鮮な原材料を使えることや、老犬の体調に合わせた食材や栄養素を調整できることにあります。栄養学的な正しい知識も必要となりますが、肥満防止のカロリー調整なども工夫することができます。愛情をたっぷり込められるのもメリットでしょう。

愛犬の食事を作る時に気をつけたいことは、見た目より栄養を優先ことが大切です。彩り豊かにお皿に盛り付けられた食事を目にすることがありますが、手間と時間をかけて作った食事も、栄養が偏っていると結果的に愛犬にとって良い食事とは言えなくなってしまいます。インスタント食品と言われてしまう市販のドッグフードは、犬にとって必要な栄養素が計算された完全栄養食品です。手作り食で一番難しいのは、やはり栄養素の調整といえるでしょう。また無農薬や無添加食品を材料とした食事はコストもかかることになります。食事は毎日欠かさず与えるものですから、手間とコストと栄養バランスを考えると、ドッグフードと併用しながら、少しずつ変えていくことをおすすめします。

■まとめ
秋冬は人にも愛犬にとっても良質な食材がたくさん手に入る良い季節です。芋類や根菜類、鹿肉なども手に入りやすくなります。老犬にとってバランスのとれた栄養が摂れるよう、栄養学の理解を深め、老犬が健やかに過ごせるよう食生活を整えていきましょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子)

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