「ヘルニアのリスク」。【老犬ケア】

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ヘルニアのリスク

2018.11.27 (老犬ケア)

ヘルニアの老犬実家で飼育している10歳のミニチュアダックスフンドがヘルニアの手術をしました。ダックスの発症率が高いといわれる「椎間板ヘルニア」ですが、好発犬種は他にも多く、高齢になれば、いっそうリスクは高まるようです。実家の老犬は幸いにも、内科的治療と外科手術で後肢の動きを取り戻すことができそうですが、術後しばらくの間はリハビリが必要になりそうです。

椎間板ヘルニアとはどのような障害で、原因や生活の上での注意点をまとめてみました。

■椎間板ヘルニアの好発犬種とは?
ヘルニアを発症するリスクは、遺伝によるものと加齢が一因になるものがあって、どの犬種でも生活環境によってはヘルニアになる可能性を持っています。しかし、椎間板に影響が出やすい犬種があることも事実です。

遺伝的に影響が出やすい「軟骨異栄養性症」の遺伝子を持っている犬種は、若くても椎間板ヘルニアを発症するリスクがあります。これらはハンセンⅠ型椎間板ヘルニアといわれ、代表的なミニチュア・ダックスフントやウェルシュ・コーギーは有名ですが、他にもビーグルやシーズー、フレンチブルドッグなど多くの犬種が含まれ、小型犬に多くみられます。3~7歳頃に突然発症することがあります。

■加齢でヘルニアになるリスクが高まる
遺伝的に問題がなくても、生活環境や加齢による椎間板の疲労が原因で発症する椎間板ヘルニアがあります。これはハンセンⅡ型と呼ばれ、成犬から老犬期に入る頃に徐々に進行し、椎間板への慢性的なストレスが蓄積して発症するのが特徴です。ハンセンⅡ型は小型犬だけでなく大型犬など多くの犬種にみられ、ゴールデンレトリーバーやラブラドール、シベリアン・ハスキー、ジャーマンシェパードや、チワワ、プードル、マルチーズなど人気犬種にも発症リスクは多くあります。

■症状が出やすい場所
発症する場所は椎間板がよく動く場所ということになり、頸椎部(首)と胸・腰椎部(腰)に現れることがほとんどです。特に首の場合は痛みが激しい場合も多いようです。胸・腰椎部が約80%、頸部は約15%程度というデータもあります。
胸・腰椎部に発症した場合は、その症状によって5段階に分類されています。
*第11胸椎~第2腰椎間での発生が多いです。

・グレード1 ― 麻痺はなく、背中に痛みがあって、背中や身体を触らせるのを嫌がり、動いたり、抱いたりすることを嫌がる
・グレード2 ― 後肢の力が弱くなり、ナックリングの症状があるが、ふらつきながら自力歩行できる
・グレード3 ― 後肢は完全に麻痺する。立つことや自力歩行はできず、前脚だけで歩伏前進の状態。
・グレード4 ― 後ろ肢は全く動かず、皮膚をつねる程度(浅部)では感覚はない。強く握ったりした場合(深部)の感覚はある。自力での排尿はできず、失禁することがある。
・グレード5 ― 後肢の深部まで麻痺が及び、全く痛みも感じない状態になる

実家の老犬はグレード3でした。走ったり遊んだりしている時に発症したわけではなく、座ってシャンプーをしていた時に突然立つことができなくなり、動けなくなってしまいました。数日間は絶対安静にしながら内科的治療をしましたが、症状の改善がないということで、外科手術をすることになりました。

まれに頸椎に近い部分の胸椎に発症し、前脚に症状がでることもあるので、愛犬の歩き方や日常生活の中で変化がないか、よく見守りたいところです。

■日常生活で注意したいこと
健やかに暮らしていくためにも、日常生活の中で椎間板にストレスを与えないよう気を配り、体に負担をかけない生活を送ることも大切です。
・フローリングにはすべり止めを敷く
・階段やソファなどの上り下りをさせない
・抱き方に気を配り、背骨を回転させるような遊び(ゴロゴロ転がる)を避ける
・体重で足腰に負担がかからないよう、太り過ぎに注意する
・過度なボール遊びやジャンプを控える

■まとめ
好発犬種だからといって、すべての犬がヘルニアになるわけではありませんが、一度発症してしまうと、金銭的にも生活的にも大きな負担がかかるのが椎間板ヘルニアです。日頃から背骨や首に負担がかからないよう意識しながら、予防を心がけていきましょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子)

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