老犬の足を守る
2018.06.16 (老犬ケア)
梅雨に入り、雨の日の散歩の心配をする季節になりました。
老犬の場合、体を動かす機会が減り、運動不足が気になります。若いころに比べると、運動量が減るとたちまち筋肉量が減り、筋力が回復するにも時間がかかることがあります。
「ナックリング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。老犬によくある症状なのですが、足先が握ったような状態になり、足の甲を地面についている、または肢の甲で歩いている状態のことで、麻痺など神経に問題がある時に見られます。梅雨の晴れ間のお散歩は、老犬の歩き方にも目を配ってみてください。
ナックリングは、足を引きずる症状ですが、しっかり歩いているつもりでも、肉球が地面に着いていないことがあり、指先を地面に擦っていたり、足の裏ではなく、足の甲を地面に引きずって歩きます。一見すると足がひっくり返ったような歩き方で違和感があります。また、最初は気づかず、足先や足の甲を擦りむいて出血していることで異常に気づくこともあります。
足腰の老化現象は後ろ脚から出ることが多く、最初は立っているだけなのに足がブルブルと震えて、踏ん張っている様子が見られます。これは、立つという行動だけでも踏ん張っていないと体が支えられない時に見られる症状、あるいは神経の伝達障害によってみられる症状です。さらに筋力が衰えると立たせてもへたり込み、歩くときのふらつきが見られるようになります。
このような症状があるからといって散歩や歩くチャンスを減らしてしまうと、ますます筋力は衰えてしまいます。サポートをしながら無理のない程度に外に出かけて、他のワンちゃんと交流し、屋外の刺激に触れることは老化予防にもなりますし、歩くことが好きな犬の本能的なストレスも軽減することができます。
老犬は自分の老いに気づいていないので、散歩にいけないことや歩けないことがストレスに感じることもあるのです。
サポートとしては、介護用ハーネスやバスタオルなどでお腹より少し後ろの下腹部を支え、ふらついたら軽く持ち上げながら支えて、歩行をサポートします。
ハーネスはこちら
また、ナックリングを起こすようであれば、足を怪我から守るために柔らかなゴム製の靴や、脱げない靴下、補助サポーターなどでカバーします。
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梅雨時期は新緑やアジサイが心地よい季節でもあります。
無理やり歩かせる必要はありませんが、老犬が気持ちよく散歩を楽しんでいるのであれば、ゆっくりでも距離が短くてもよいので、天気の良い日は散歩に出かけてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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