2025.09.15 (老犬ケア)
施設訪問記 最期まで一緒!くっきぃホーム
今回は群馬県前橋市にある「くっきぃホーム」の代表、奥沢さんの歩みと、施設運営に込めた想いをお聞きしました。
奥沢さんは20年以上にわたり、人の介護職に従事し、ケアマネージャーとしても活躍してきました。
そんな中、ある保護犬「くうちゃん」との出会いが転機となります。
「くうちゃんはブリーダーから放棄されたミックス犬で、毛は伸び放題、爪もボロボロの状態でした。でも本当に可愛くて。なぜこんな子が捨てられるんだろうと…」と振り返ります。
その後もう1匹の「きいちゃん」も迎え入れ、セラピードッグとして高齢者施設への訪問活動を始めました。
犬と人、双方にとって幸せな時間を提供できる手応えを感じたといいます。
しかし「セラピーだけでは自分の思う形には届かない」と感じ、譲渡を中心とした保護犬カフェも考えました。
けれど最終的に「終生預かり」のニーズに応えることこそ自分の役目だと思うようになったそうです。
とはいえ、一人での終生預かりは現実的に難しい。
そこで「できる範囲で支えたい」と一時預かりに方向を定め、物件探しからDIYでの改装を経て、2024年4月に「くっきぃホーム」をオープンしました。
家庭的で温かい雰囲気を大切にし、犬たちが“お友達の家に遊びに来た”ように過ごせる環境を整えています。
奥沢さん自身も施設で寝泊まりをし、「365日、できるだけ目の届くところで」と心を砕いています。
奥沢さんが大切にしているのは、飼い主さんとの丁寧な対話です。
「ケアマネ時代に培った“話を聞く力”を活かして、まずは不安をしっかり受け止めるようにしています」と語ります。愛犬を預けることに罪悪感や迷いを抱く飼い主も少なくないため、安心して任せてもらえる関係づくりを重視しているのです。
こうした想いは、愛犬の最期にもつながります。
「飼い主さんの事情で、愛犬の最期を看取れないこともあります。そんな時は代わりに最期まで見届けたい。人も動物も“終わり”が悲しいものではなく、あたたかなものであってほしい」と奥沢さんは話します。
「赤ちゃんや子犬の“無条件のかわいさ”とは違って、年を重ねた子たちには“いとしさ”があるんです。寝顔を見ているだけで癒されますよ」と、優しく撫でる姿が印象的でした。
将来的には、終生預かりへの本格対応や人材育成、自宅でのケアが難しい飼い主へのシッター派遣、ペットロス支援なども構想しています。
「これからは今まで取り組んできたことを、仕組みとして残していきたい」と語られていました。
人の介護と動物の介護、その両方を経験してきた奥沢さんだからこそ実現できる、現実的であたたかな施設運営がここにありました。
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