2025.10.24
施設訪問記 PetClinicアニホス
川越街道沿いで大きな猫のレリーフが目を引く「PetClinicアニホス」、建物入口であたたかな視線を送るお地蔵さんに迎えられ、院長の弓削田さん、広報担当の中佐藤さんにお話をお伺いしてまいりました。
PetClinicアニホスは、前身の開業から数えると40年以上の歴史を重ね、現在の自社ビルに移ってからも地域の暮らしに寄り添い続けています。創業者の思いがこもったお地蔵さんには、通院やお散歩の途中で手を合わせる方も多く、嬉しい日にも心細い日にも、ここへ来ると肩の力がふっと抜けるように感じます。
ペットも長生きが当たり前となり、慢性疾患や認知機能の変化、夜泣きや徘徊、寝たきりのケアまで、飼い主の暮らしにも負担がかかりやすくなっていくなか、PetClinicアニホスでは一般診療に加えてシニア期のケアにも丁寧に取り組むようになったそうです。
院内には多数の獣医師と愛玩動物看護師がそろい、高齢の愛犬、愛猫の日中のデイケアや短期預かり、入院など状況に合わせて組み合わせ、誤嚥を防ぐ食事介助、体位変換や褥瘡予防、関節の可動域を保つマッサージなどをきめ細かく行っています。
介護そのものは決して楽ではありませんが、「最後に大変さだけが残らないように」という視点で、専門知識をもったスタッフが、動物にも人にも無理のないリズムを整えられるよう、サポートしてくれるところが心強く映ります。
インタビューのなかで、特に印象に残ったお話がありました。
飼い主がご自身に万が一のことが起きた時に備え、遺言や費用計画を用意、PetClinicアニホスに最期まで引き受けてもらう仕組みを整えた猫たちのお話です。
はじめはキャリーにも入れず警戒していた子が、今では日向ぼっこの部屋へ行く時間を自分から催促し、喉を鳴らして過ごすようになったといいます。
季節の光を浴びる穏やかな時間が、動物にもスタッフにも確かな安心を届けている様子が目に浮かびました。
多くの老犬、老猫を見てきた弓削田院長と中佐藤さんに、老犬ケアをご覧のみなさんへのアドバイスをお伺いしたところ、「まず主治医、看護師と顔の見える関係を育て、年齢に合わせて受診の頻度を少し増やし、ささいな変化も相談してほしい」とのメッセージをいただきました。
若いうちからキャリーに入る練習や、数時間のステイで「預けられる環境」に慣れておくことも、いざというときの助けになると語ってくれました。さらに、家族や親族と「万が一」の引き継ぎについて早めに相談し、必要であれば病院や専門家と法的な準備まで整えておくと安心が広がります。
年相応の変化に見えても、病気のサインが隠れている場合もあるので、定期的な検査と日頃の対話が、それらを見逃さないために大切とのことです。
「病院は、具合が悪くなったときだけ訪れる場所ではありません。暮らしのそばで、悩みや迷いを受け止めながら、動物と人の時間を整えていく伴走者として存在しているのです」そう語る弓削田院長は、創業者からの意思を引き継ぎ、地域に信頼される温かい場所を提供し続けていくのだろうと感じました。
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