冬の乾燥は老犬にとって要注意?
2024.01.24 (老犬ケア)
冬は空気中に含まれる水分量が低くなります。特に太平洋側の地域は日本海側に比べて雪や雨が少ないため、空気がより一層乾燥します。
室内では暖房によって暖められた空気が周囲から水分を奪い、乾燥を感じやすくなります。
こうした冬の空気の乾燥は、老犬にとってどのような影響があるのでしょうか?
今回は、老犬と冬の乾燥対策について解説します。
■ 空気の乾燥が体に与える影響
まずひとつめに挙げられるのが、肌への影響です。
特に屋内での暖房による空気の乾燥は肌から水分を奪い、肌や被毛のぱさつき、フケ、かゆみなどを引き起こします。体表のバリア機能が低下し、ちょっとした刺激にも敏感になり、免疫力の低下も招きます。
また、空気が乾燥しているとウィルスや雑菌が飛散しやすくなりますので、呼吸器系の疾患にも注意が必要です。
その他にも気温が低いと水をほしいと感じにくくなり、水分摂取量が低下します。 水分摂取量が減ると、血液や尿が濃くなる場合があり、循環器系疾患や尿路結石などの尿路系疾患に罹りやすくなります。
■ 老犬は肌が乾燥しやすい?
犬は、ほとんどの犬種で全身が被毛で覆われ、肌を守るというひとつの機能を担っています。それは、人に比べて犬の皮膚は薄く、角質層は人の半分以下だからです。
被毛で守られているとはいえ、皮膚の保湿能力が低いため肌は乾燥しやすいのです。
また、老犬は年をとっている分、皮膚の皮脂分泌力が低下し、水分を保持する能力も減少しています。年を重ねることで肌がさらに乾燥しやすくなっているのです。
■ 老犬におすすめの保湿対策
【部屋の保湿】
暖房でエアコンやファンヒーターを使っている場合は特に、室内の空気が乾燥します。犬の体に直接風が当たらないように、愛犬が休む場所を工夫しましょう。
加湿器を使ったり濡れタオルを干したりするなどして、湿度を40%以上に保つことも大切です。
【肌の保湿】
犬用の保湿スプレーなどの製品で、外側から潤いを与えるとよいでしょう。肉球には、犬用の保湿クリームでマッサージするように塗り込むと、ひび割れやかさつきを防げます。
必要以上に皮脂を洗い流さないためにシャンプーやお風呂の回数を減らしたり、体を拭くタイプの製品で汚れを落としたりするのもよいでしょう。
【体内の水分補給】
体への水分補給をする工夫として、ウェットタイプのフードに切り替えたり、いつものドライフードをお湯でふやかしたりして、食べやすい温度に冷ましてから与えるとよいでしょう。
手作りのスープや犬用のスポーツドリンクなどの香りのある飲料で、おいしく、楽しく水分補給ができるように工夫しましょう。
◾ 最後に
老犬のスキンケアや加湿、水分補給のケアは、飼い主さんの負担のない範囲で少しずつ始めていきましょう。
とはいえ、冬の乾燥は侮れません!
愛犬があまりにも水分を摂らなかったり、愛犬が肌を痒がったり炎症が起きた場合は、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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