犬の貧血 症状や治療法を予防策とともに解説
2023.04.07 (老犬ケア)
人間と同じように犬も貧血になることをご存じでしょうか。
激しい運動をしていないにもかかわらず、息切れを起こしていたら、それは貧血のサインかも。なかには病気が原因の場合もあるため甘く見てはいけません。
特に老犬は、慢性的な炎症や疾患によって貧血のリスクが高まると言われています。
今回は、犬の貧血について、症状や治療法を予防策とともに解説します。
■ 犬の貧血の症状
貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が薄まった状態をいいます。
ヘモグロビンが不足すると、体に十分な酸素が行き渡らず様々な不調があらわれます。
以下のような症状がみられたら、貧血を疑いましょう。
・息切れ
・結膜や歯肉が白っぽくなる
・疲れやすい
・手足が冷える
・食欲低下
・嘔吐や体の震え
・元気消失 など
重度の貧血は、呼吸困難や臓器のダメージを招くことがあり、命に関わります。
■ 貧血の原因
では、どのようなことが原因で貧血になるのでしょうか?原因となるものをいくつかご紹介します。
【免疫介在性溶血性貧血】
「免疫介在性溶血性貧血」は、免疫が異常を起こし、自分自身の赤血球を壊してしまう病気です。体に十分な酸素が行き渡らず、その結果として貧血の症状が引き起こされます。
命に係わる病気ですので、すぐに適切な治療を受ける必要があります。
【出血】
外傷や体内での慢性的な出血が貧血の原因になることがあります。外傷で出血がひどい場合は、早急に動物病院に連れていき手当を受けてください。
血尿や血便(黒い色の便になることもあります)は体内での出血のサインです。動物病院を受診しましょう。
【寄生虫】
マダニに噛まれた際、寄生している寄生虫が原因で感染症にかかり貧血になることがあります。食欲がない、発熱、赤色尿などの症状が出ます。
マダニが潜んでいる可能性がある山道や深い草むらは、なるべく通らないよう気をつけましょう。
【タマネギ中毒】
タマネギは、犬が食べてはいけない食べ物です。誤って食べてしまうと赤血球が破壊され、「ハインツ小体性溶血性貧血」を引き起こします。
1日~数日後に、食欲がない、発熱、赤色尿などの症状があらわれます。
■ 貧血の治療法とは?
貧血は大きな病気が隠れていることも多いため、さまざまな検査が行われ、原因が特定できれば、それに対しての治療をしていきます。
犬の状態によって治療法はさまざまですが、貧血の治療薬や点滴、重度の場合は輸血が行われます。獣医師との相談のうえ納得して治療を進めていきましょう。
■ 貧血にならないための予防策は?
【健康診断】
定期的に血液検査を受け、貧血になっていないか確認しましょう。
【適度な運動】
毎日の遊びや散歩のなかで、「元気がない」「運動を嫌がる」などの貧血症状がないかチェックしましょう。
【寄生虫予防】
予防薬などを使い、マダニの吸血を予防しましょう。
【鉄分を多く含む食事】
普段の食事に貧血防止となる鉄分を積極的に取り入れましょう。
鉄分を多く含む代表的な食べ物はレバーです。ビタミンCを多く含むブロッコリーやキャベツは鉄分の吸収を助けるため、レバーと一緒に食べると効果的です。
貧血に特化したサプリメントを活用するのもオススメです。
◾ まとめ
貧血による息切れや疲れやすさが続くと、犬の心や体に負担がかかります。
貧血は飼い主さんが気づきにくい場合も多いですが、重大な病気が隠れている可能性もあるため油断できません。早期発見のために定期的に健康診断を受け、寄生虫や鉄分不足にも注意しましょう。
日頃から愛犬を観察し、貧血が疑われたら早めに動物病院を受診してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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