犬のしゃっくり 原因や対処法を解説
2023.02.28 (老犬ケア)
犬も人間と同様、しゃっくりをすることがあります。
しゃっくり自体は生理現象のひとつなので心配ありません。しかし、繰り返したりなかなか止まらなかったりする時には病気が隠れている可能性もあります。
体の機能が衰えてきた老犬は、しゃっくりが長時間続くと体力を消耗するので注意が必要です。
今回は、犬のしゃっくりの原因や対処法について解説していきます。
■ しゃっくりとは?
しゃっくりが出るのは、横隔膜が痙攣している状態になっているときです。
横隔膜とは犬の胸部と腹部を隔てている筋肉の膜のこと。しゃっくりをすると、犬のお腹や胸のあたりから上半身がヒクっと一瞬動くのが確認できるでしょう。
しゃっくり自体は健康に問題ありませんが、長時間続くと体力が削られてしまい体調に影響が出ることがあります。
痙攣や胃捻転に発展する場合もあるので、しゃっくりが長時間続くようなら他の症状が出ないかなど注意深く観察し、対処しても止まらないようでしたら、動物病院を受診してください。
■ 犬のしゃっくりの対処法は?
愛犬がしゃっくりをしていたら次のように対処してあげましょう。
【落ち着ける】
愛犬の動きを止めて、優しくお腹や喉を撫でるとよいでしょう。
【少量の水を飲ませる】
水を飲むことで呼吸のペースが変わり、しゃっくりが止まることがあります。誤嚥に注意しながら、少しずつ水を与えましょう。
飼い主さんの指を水で湿らせて舐めさせるのも効果的です。
【しゃっくりから気をそらす】
しゃっくりが気になって犬に焦りが出ている場合、違うことをして気をそらしてあげるとよいでしょう。
外に出す、おやつを与えるなどが効果的です。
■ 犬のしゃっくりの原因
犬のしゃっくりの原因には、以下のようなものがあると言われています。
【早食いや一気飲み】
犬が食後にしゃっくりをする場合には、早食いの可能性があります。早食いは多くの空気を飲み込むため、胃が拡張して横隔膜を刺激するのです。
食事を小分けにして回数を増やすとよいでしょう。
【不安やストレス】
不安やストレスを抱えていると、呼吸が荒くなってしゃっくりが出ることがあります。散歩などでストレスを発散させましょう。
【ドッグフードが合っていない】
ドッグフードが体質に合っていないと消化の際にガスが発生し、胃が拡張してしゃっくりが起こる場合があります。
ドッグフードは犬種や月齢に合わせて様々な種類がありますが、切り替えたタイミングはしゃっくりが起こりやすいです。愛犬に適したものがわからないときは獣医師に相談すると安心です。
【病気】
しゃっくりが長時間続くようなら、呼吸器や消化器、心臓や脳の病気が隠れている可能性もあります。
しゃっくりに加えて次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院に行くようにしましょう。
・咳
・いびき
・吐きたそうな仕草
・嘔吐
・よだれ
動物病院へ行く際にはしゃっくりが出る状況を記録しておき、問診の際に伝えましょう。
しゃっくりと間違えやすいものにてんかん発作があります。てんかん発作が疑われる場合も動物病院に行きましょう。
◾ まとめ
しゃっくりの多くは生理現象で心配ありませんが、長時間続くと体力を消耗し体調に影響が出ることがあります。特に老犬の場合は収まるまで注意して見守りましょう。
単なるしゃっくりと思っていても、なかには病気が隠れている場合もあります。他に症状がないかよく観察するようにしましょう。
気になる症状がある場合は早めに動物病院に相談してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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