「老犬の鍼灸治療」。【老犬ケア】

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老犬の鍼灸治療

2019.03.13 (老犬ケア)

うつぶせになる老犬人も犬も高齢になると足腰の痛みや疲れが出やすくなります。原因は必ずしも病気とは限りません。
すぐに治療が必要なことであれば、即効性のある薬や手術などの「西洋医療」が必要となりますが、もう1つの治療法として「東洋医療」が注目されています。動物病院の中でも東洋医学の鍼灸や漢方を取り入れる動きがあり、飼い主としても治療方法の選択肢が増えました。

鍼灸は人に施す治療と思われがちですが、犬にも人と同じようにツボがあり、鍼灸で刺激を与えて「気」の流れを整えることで、動物が本来持っている生体エネルギーの流れや血流が良くなり、自然治癒力を高めることが可能です。どんなときに鍼灸治療が有効に活用されるのか、まとめてみました。

■ 麻酔ができない老犬に有効
手術が必要なヘルニアの治療などには必ず麻酔が必要です。しかし、老犬の場合、年齢や犬種によっては、麻酔ができない場合もあります。また、慢性的な関節炎などの場合、痛み止めの薬を飲み続けることに抵抗のある飼い主もいると思います。

そんなときの治療法の選択肢として東洋医学の漢方や鍼灸を取り入れると、愛犬の心身の負担を考えながら、治療方針を決めることが可能になります。
治療方法の1つに鍼灸を選択することで、鎮痛剤の投与期間を短くしたり、用量を減らして老犬の体への負担を減らす効果もあります。

■ どんな治療に有効か
人の場合は腰痛や肩こりの治療として鍼灸をしますが、痛みやしびれを伝えることができない老犬は、明らかな体調の変化がみられないと、病院に行こうということにはなりません。

「未病」という言葉を聞いたことがあるかと思います。いつも倦怠感があり、やる気がおきず、体が重く感じられるなど、病名がつくような病気と診断されなくても症状の改善や体質の変化を期待できるのが鍼灸の良さです。
老犬の場合は、目の輝きがなく、気だるそうにしていたり、疲れやすそうにしているなど、病気ではないのに活気のない様子が続いている時は、気の流れを整えて活力を取り戻すことも一案です。

老犬への鍼灸は運動器の症状に改善がみられるとされており、疾患が多い椎間板ヘルニアや関節炎、股関節形成不全にも有効といわれています。
強い症状がなくても、足を引きずって歩いたり、手足の甲が汚れてナックリング(※1)の症状に気づいたり、いつもの姿勢でオスワリができないなど、今までにない症状がある場合も、血流の改善や鎮痛効果がある鍼灸を施すことで、改善がみられるケースもあるようです。

(※1) ナックリングとは・・・足先が握ったような状態になり、足の甲を地面に着いている、または足の甲で歩いている状態のことです。麻痺など、神経に問題がある時に見られます。

■ 治療は獣医師の下で
腫瘍があったり、激しく興奮しやすい犬の場合は施術が困難な場合もあるので、治療は慎重に行います。治療は獣医師が施術を行いますので、鍼灸認定資格をもった獣医師の診察を受けましょう。

■ まとめ
鍼灸治療が可能な病院はまだ多くはありません。ただ、専門外来ができていたり、体質や性格を見ながら治療方法を検討できる選択肢が増えることは、犬にとっても飼い主にとっても良い傾向であり、これからますます増えていく治療法の一つといえます。

料金は病院によって大きく幅があるようですので、実績などをよく検討しながら、愛犬にあった施術方法を考えていきましょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子)

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